2013 Fiscal Year Research-status Report
起業家の認識・解釈プロセスをふまえたベンチャー企業事業化プロセスの体系的研究
Project/Area Number |
25780224
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
高島 克史 弘前大学, 人文学部, 准教授 (60463759)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 文献調査 |
Research Abstract |
本研究は,ベンチャー企業の事業化プロセスを起業家の認識・解釈プロセスから理解しようとするものである。平成25年度は,起業家の認識や解釈に関する文献研究ならびに「実践としての戦略」に関する文献研究を行った。その結果,起業家研究では大きく2つにわけることが確認された。それらの多くが決定論的視座から展開されており,規範的な示唆を与えるような研究が多いことを確認した。それら研究によって,「結局,事業化のためにはどんな活動が有効なのか」「どんな要因が事業化に重要・有効となるのか」ということが明らかにされてきた。ただこれらの研究では,「なぜ特定の要因が行動が重要なのか。なぜほかの要因や活動ではないのか」「特定の要因や活動が有効になるのは,いかにして可能なのか」といった点が十分に議論されていない。 近年ではこのような課題にこたえるべく主意主義的視座からの研究が展開されるようになってきた。そこでは,起業家の認識や解釈に焦点をあてられている。ただまだ緒についた段階であり,『起業家は自身を取り巻く状況をどのように認識・解釈したのか』『そのような状況でどのように活動したのか』などといったことがまだ十分に明らかにされていないことが明らかになった。 このように起業家研究の前提にまで立ち返り,俯瞰的な議論ができたこと,ならびにその中で決定論的研究と主意主義的研究の位置づけを行うことができたことは本研究の意義であると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は,起業家研究に関する欧米および日本文献を収集し,起業家の事業化プロセスにおける認識などの文献研究を中心に行ってきた。申請時の研究計画に従って,おおむね予定どおりに進んでいる。本研究は,申請者が3年間の計画で単独で行う予定であるが、平成25年度は,文献研究を中心に行う計画となっている。関連文献研究については,計画通り実施された。また,こうした二次データの収集をしたことで,平成26年度以降のインタビュー調査の基礎にすることができた。今後は,インタビューによって収集した一次データをもとにケース研究を進めていきたいと考えている。以上のことから、交付申請書に記載した当該研究の目的の達成度については、おおむね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は,インタビュー調査を実施していきたい。それによって,起業家の事業化プロセスにおいて,事業機会の認識や事業アイデア創出において,起業家個人の能力や経験のみならず,起業家を取り巻く諸環境・利害関係者からの影響や制約などとの関係や時間的展開を意識しながら,明らかにしていきたい。現時点では,そのインタビュー先については申請者がもつネットワークなどを介して,コンタクトをとっているところである。 またそれとあわせて,文献調査も引き続き実施していく。起業家の認識・解釈に関する研究やこれと関連する「実践としての戦略」研究は近年急速に研究が蓄積されてきており,新たな知見が発表されている。こういった研究については,本研究の位置づけ,意義や重要性を明らかにしていくためにひき続きフォローしていく。
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Research Products
(1 results)