2014 Fiscal Year Research-status Report
起業家の認識・解釈プロセスをふまえたベンチャー企業事業化プロセスの体系的研究
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25780224
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
高島 克史 弘前大学, 人文学部, 准教授 (60463759)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 起業家 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は「事業機会の探索→アイデア創出→構想化→事業化」というベンチャー企業の事業化プロセスを起業家の認識・解釈プロセスという視点から理解しようとするものである。今年度は特に,「事業機会の探索」「アイデア創出」に焦点を絞りインタビュー調査を行うことが主な目的であった。 平成26年度には,5名の起業家に対してインタビュー調査を行った。インタビューの対象となった起業家は,10年以上企業勤務をする中で事業機会や事業アイデアを得た起業家,自らの専門性からビジネスアイデアをえて学生時代に起業した起業家,起業を視野に入れつつも一旦就職をしてから起業した起業家など多様な背景をもつ起業家からインタビュー調査を行った。またインタビューを行う中で「起業」「経営」「リスク」などといった言葉が頻繁に出てくるが,起業家によって用いられる意味や状況が異なる。そのため,これらの意味やこれら言葉が用いられる状況を確認しながら調査を進めていった。 起業家は先行研究でも指摘されているように,いわゆる「新しさゆえの脆弱性」というベンチャー企業にとって固有ともいえる課題に直面していた。こういった課題への対応が,その後の起業家の認識・解釈枠組みに少なからず変化を与えていることが確認できた。このことが平成26年度の調査を通じて得られた意義であると考えている。 次年度はこの調査結果をまとめつつ,詳細な分析を進めていく予定である。その結果については,論文として公刊する予定である。その過程で追加的インタビュー調査を視野に入れている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、申請者が3年間の計画で単独で行う予定であり、本年度はその2年目となる。インタビュー調査は調査対象の協力を得て、実施することができた。これによって、本研究を進めていくために必要なデータを収集することができた。また前年度実施した文献調査の結果と照らし合わせながら,本研究の仮設のリファインを進めている。 以上ことから、交付申請書に記載した当該研究の目的の達成度については、おおむね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はインタビュー調査の分析結果をもとにその成果をまとめる予定である。 本研究の目的は、ベンチャー企業の事業化プロセスのうち「事業機会の探索」「アイデア創出」段階における起業家の認識・解釈プロセスを理解することにある。そのために必要となる調査はおおむね終えており、より厳密な分析結果の考察やインプリケーションの抽出を目指している。
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Research Products
(1 results)