2014 Fiscal Year Research-status Report
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25780229
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
糸久 正人 法政大学, 社会学部, 講師 (60609949)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | コンセンサス標準 / 自動車産業 / ビジネス・エコシステム / 国際情報交換 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、「コンセンサス標準にかかわる多様な企業行動」を理解するために、自動車産業における車載ソフトウェアの標準「AUTOSAR(Automotive Open System Architecture)」の事例を中心に検討を行った。その結果、標準化対象領域の知識量が多い企業ほど、標準化活動には積極的に参与する反面、その成果である標準は導入しない、という傾向が見受けられた。過去の多くの事例が示すように、標準化への対応は企業の競争優位に大きく影響する。したがって、仮にコンセンサス標準が支配的となった場合、知識量の多い企業ほど競争優位を失いかねない。本研究では、そうした現象を「コンセンサス標準をめぐる知識量のジレンマ」と名づけた。この研究については、現在、学術雑誌に投稿中である。 また、AUTOSARをめぐるビジネス・エコシステムの進化(参加企業数の推移)を分析した結果、標準化推進企業は、実装知識をコントロールし、事業を優位に進めている可能性があることを明らかにした。このことは、「標準」というオープンな枠組の中にも、企業戦略が内包されていることを示唆している。この研究については、安本・糸久(2014)「準化にともなう企業推移と技術普及 :車載エレクトロニクスに関する実装知識の担い手の役割」『技術マネジメント研究』に掲載されている。 一方、「標準の支配性」という観点からは、移動体通信産業の事例を中心に、「デジュール標準」に関する分析を行った。デジュール標準とは、ISO、IEC、ITUなどの国際標準化機関が定める標準である。グローバル競争の中でデジュール標準を獲得することは、WTO/TBT協定の観点からより一層重要となってきている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の課題である「標準の支配性」に関しては、自動車産業や移動体通信産業の事例研究/フィールドワークを通じて、順調に実態把握が進んでいる。しかし、学術雑誌への論文投稿に時間がかかってしまったために、「制度論」によるフレームワークづくりは若干遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、標準の支配性に関する制度論によるフレームワークづくりを優先的に行い、この2年間に行った事例研究/フィールドワークの成果を分析する。後者に関する知見は十分にたまっているので、前期中にフレームワークづくりと論文投稿まで実施したい。
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Causes of Carryover |
前年度は文献サーベイが若干遅れたために、図書購入に考えていた研究費が未使用の状態で繰り越されていた(90,270円)。次年度に13,217円が繰り越されたのはその未使用分の残りである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
図書購入費として充当する。
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Research Products
(2 results)