2017 Fiscal Year Annual Research Report
Focusing work-life balanced psychological contract in Japan
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25780231
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Research Institution | Yamanashi Gakuin University |
Principal Investigator |
林 有珍 山梨学院大学, 現代ビジネス学部, 准教授 (40633889)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ワーク・ライフ・バランス / 心理的契約 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「出産と育児」というライフイベントを境目に多くの女性人材のキャリアが断絶される問題に対し心理的契約の観点でその理由と防止対策を探るための調査および分析を目的とする。心理的契約は所属企業と従業員の間に明示的かつ暗黙的に交わして同意する互いへの貢献と義務認識を指す。出産を経て就労中の女性正社員は育児負担を主に担う主体でもあり育児休業や短時間勤務制度の利用なしでは就労継続できない状況を考慮すると、出産前に比べて組織への貢献度が低下することが生じうる。そこで、従業員が所属企業で辞めずに働きながら長期的な雇用関係を前提とした健全な心理的契約を結んでいるかどうかが重要となる。また、その健全な心理的契約を築かせる組織要因の探索と影響への検証が求められる。 そこで本研究は時系列で行われた定性的データとサーベイで収集した定量的データにもとづき、分析を行ってきた。今年は定量データの分析結果で①学会発表と②論文執筆を行った。 ①学会発表:女性従業員の健全な心理的契約を助ける要因として、上司のマネジメント行動を挙げている。仕事と育児の両立を図る女性正社員の上司の行動を業務支援・ネットワーク支援・WLB支援に分類しそれぞれの影響を検証した。分析結果、各上司の支援行動は良い関係づくりに正の有意な影響を及ぼし、従業員の心理的契約の定着を促していた。 ②論文:ワーク・ライフ・バランス支援と女性活用への取り組みを積極的に行うかどうかと企業業績との関係を考察している。ワーク・ワイフ・バランスと女性活用に積極的な企業は従業員の不満を抑制する衛生要因と満足を促す動機づけ要因両方に好影響を与え、いわば「ホワイト企業」と分類された。また、ホワイト企業群の業績と業績展望は他の企業群に比べて良好な結果となった。
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Research Products
(2 results)