2014 Fiscal Year Research-status Report
多角化戦略の罠 過剰参入と事業関連系不全がもたらす収益性低下メカニズムの解明
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25780239
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Research Institution | Asia University |
Principal Investigator |
村上 善紀 亜細亜大学, 経営学部, 講師 (60614097)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 多角化戦略 / 低収益 / 設備投資 / 国際化 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本企業のバブル崩壊以降20年に渡る企業行動を、多角化、投資、国際化などの観点を中心に明らかにし、「失われた20年」と呼ばれる期間において、日本企業がどのように成長・変化してきたのかを明らかにするのが本研究の目的である。 これらの課題を明らかにするために、本研究では経済産業省の「企業活動基本調査」などの統計資料から、上場企業にとどまらず数万社に渡る日本企業の活動状況や経営成績に関するデータを収集し、それらの企業に関する大規模パネルデータを作成して分析を行っている。具体的には、バブル崩壊以降これまでの日本企業と異なる経営行動があらわれているのか、例えば多角化から選択と集中への切り替えは本当におこっているのか、それらの行動は企業の利益にどのようにつながっているのか、といったことがパネルデータ分析を通じて明らかにすることができる。ほかにも、日本企業の国際化は本当に進展しているのか、進出先は変化しているのか、進出先の違いと企業の成長性の間には何か関係がみられるのか、といった点なども検討できると思われる。 本研究のこれまでにない意義として、「企業活動基本調査」という大規模データを用いることで、従来日本企業研究の対象となっていなかった中小企業まで、大企業と同じデータで分析が可能になったことがあげられる。これによって、例えば中小企業と大企業の間で企業行動に明確な差がみられるのか、といった点などについても検討を加えることができるようになっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
中小企業まで含めた日本企業数万社の20年に渡る企業活動データベースをほぼ構築し、多角化や投資にかかわる企業行動について長期・大量データによる分析が可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度まではデータベースの構築と分析作業を行ってきた。本年度はデータ分析から得られた知見を論文および学会発表によって還元していくことに集中する予定である。
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Causes of Carryover |
企業データベース構築作業を優先し、企業向け多角化関連質問票調査の予定が後ずれしたため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
多角化関連質問票調査及び補足的なデータベース構築に使用する予定である
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