2014 Fiscal Year Research-status Report
ラディカルな技術変化への適応メカニズムの探索:写真プリント業界の事例研究
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25780247
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
兒玉 公一郎 明星大学, 経営学部, 准教授 (70610343)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | イノベーション / デジタル化 / 写真プリント / デジタル・ミニラボ / 普及 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の活動の大部分は,写真のデジタル化という問題に対するラボ業界にとっての標準的な解であるデジタル・ミニラボがいかにして生み出されたのかという問題に関する歴史的記述を取りまとめることに費やされた.すなわち,富士フイルムのデジタル・ミニラボ「フロンティア」という商品に着目して,その詳細な開発プロセスを明らかにした.要素技術の開発に関する学術論文や社内資料,およびにインタビューデータ等の膨大な資料を踏まえて,この記述をまとめた.なお,この成果は,一橋大学日本企業研究センターワーキングペーパーシリーズNo. 190に登録済みであるものの,最終的な学術出版の重大な一部を構成する予定である.また,この事例については,当初の計画通りに,ビジネス教材として活用することを目指しており,記述を簡略化した上でビジネスケースとして再編集する予定である. また,上記の作業に加えて,本研究に関連して過去に発表した日本語学術論文を,海外発信の一環として英訳の作業を実施している.平成26年度末でおよその英訳作業は完了し,校正作業に入る準備を行っている状態である. 調査に関しては,引き続き関係者へのインタビューデータ収集を中心に,一次資料の一層の充実を目指している.とはいえ,すでに研究期間(4年)うちの2年が経過したことを踏まえて,これまでの成果物の内容について確認していただくことも含め,今後は情報の収集から研究成果の発信に,徐々に軸足を移していく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最終的な成果物である学術出版への準備は着々と進展している.上述の通り,学術書の最重要な「デジタル化への解の出現」に関する調査・記述が終了したため,今後は成果発信の割合を徐々に高めていく予定である. また,もう一つの課題である「消費者行動の分析」を行うために,特にハイエンドのIJPの顧客の行動パターンの分析に向けて,現在,写真誌『アサヒカメラ』の読者コンテストのデータベース作成作業中である.データベース構築がなされたら,より一層の分析の進展が期待される.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の大きな課題は3点である.第一は,過去に発表した日本語論文の英訳版を海外に向けて発表することである.第二は,消費者行動の定量的分析に着手することである.第三は,学術出版に向けて,さらに重要な論点について掘り下げて分析・記述を行うことである.当初の課題を達成するために,上記の作業を同時に進めていく予定である.
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Causes of Carryover |
日本語論文の英訳を当該年度中に実施することになったため,その英文校正を委託するための予算を前倒し請求した.しかしながら,研究責任者による英訳作業が滞って計画が遅れてしまっているため,校正作業のための予算執行がまだできずにいたため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初の計画通り,英訳校正の校正に充てる予定である.
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Research Products
(2 results)