2013 Fiscal Year Research-status Report
取締役の機能を代替するキャリア指標に基づく「取締役会と企業業績の関係性」解明
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25780252
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Aichi University |
Principal Investigator |
一木 毅文 愛知大学, 経営学部, 准教授 (30583546)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 役員報酬 / キャリア |
Research Abstract |
平成25年度の研究計画は、(1)取締役の就任根拠となる各種キャリアのプライシング構造を解明すること、(2)企業価値創造に対する取締役の各種キャリアのインパクトを計測することであった。 (1)については、関連する2本の論文執筆および1回の研究会を開催し、どのようなキャリアを有する取締役がどれほどの報酬水準にあるのか、概ね計画の通りに実証研究を実施できた。これらの研究成果のなかの1本の論文は、これまであまり解明されていなかった日本企業役員の基本報酬(固定報酬)について、実際の役員報酬データを使用してそれを合理的に解明しようと試みたものである。残る1本の論文は、取締役のキャリアに基づく定量的分類と定性的分類の整合性を検証したものである。前者については、分析対象が限定されているものの実際のデータを使用した稀な研究成果であり、報酬額をキャリアとの関係で分析する視点を提供しているものである。後者については、キャリアを用いた定量分析と、これまでに行われてきた定性分析との整合性が概ね確かめられている。 (2)については、計測作業に必要なデータ整備を概ね完了させた。本来であれば計測まで終える計画であったが、「現在までの達成度」にて記載の原因でやや研究は遅れているため、研究成果として公表するには至っていない。しかし、「今後の研究の推進方策等」にて記載の方策により解決可能な状況にあり、研究成果の公表は平成26年度以降となる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究着手当初の平成25年度の研究計画(2)では、対象サンプルを日経225(金融機関を除く)に絞っていたが、決算期の統一、監査役設置会社と委員会設置会社の区別、といった分析条件を統一すると対象サンプル数がかなり減少し、対象サンプルの拡大を行う必要性に直面した。そこで、対象サンプルを東証一部上場企業へと拡大したため、新たなデータの整備に時間を要することとなり、当初計画よりはやや遅れている状況となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究着手当初は平成26年度の研究計画として(3)企業価値を最大化する最適な取締役会の組織化に関する理論形成を予定していたが、これは平成25年度に予定していた研究計画(1)と(2)による実証的根拠に基づいた理論形成であり、平成25年度に予定していた研究計画(2)の進展なしには実施できない。そこで、既に概ね完了しているデータ整備を完成させ、(2)の計測作業を進めることを優先し、(2)完了後、(3)に着手するよう研究計画を変更する。 平成26年度は、たまたまではあるが、所属機関において担当予定であった大学院講義が開講取り止めとなったため、エフォートを高めることが可能であり、研究にあてる時間を増加させることで当初計画した研究をすべて遂行したいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究計画申請時の金額よりも減額での交付決定となったため、交付決定時には物品費等を抑えた使用計画をたてたが、研究遂行上の必要性から平成25年度には実際には物品のみを購入し、その残額が未使用額の27,500円となった。 平成26年度には、研究費を主に人件費・謝金として使用する予定であるが、これは主に論文の英文校正のための費用であり、論文の文字数によって増減する性質のものであるため、次年度使用額はこの費用に充てる計画である。
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Research Products
(3 results)