• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2013 Fiscal Year Research-status Report

企業価値評価における経営者予想の有用性とR&D集約企業

Research Project

Project/Area Number 25780296
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionKyoto Sangyo University

Principal Investigator

石光 裕  京都産業大学, 経営学部, 准教授 (90449504)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
KeywordsR&D / 企業価値評価 / 経営者予想
Research Abstract

本研究の目的は、R&D活動を盛んに行う企業の価値評価における経営者予想の役割を明らかにすることにある。本年度は3か年計画の初年度であり、今後に行われる分析の基礎を築くため、理論的枠組みの構築とデータ収集を目的としており、以下の3つを行った。
1.文献レビュー:先行研究レビューでは、R&D企業の特性に関する先行研究について調査を行った。この成果の1つがFujiwara and Ishimitsu(2014)である。R&D活動を取り扱う難しさの多くは、研究開発成果の発現の不確実性に起因しており、その不確実性を検討するには、企業特性(財務特性や企業組織など)のR&Dプロセスに影響を与える側面に着目することが重要である。またそれらプロセスについての性質を、証券市場は企業価値評価に際してどのように解釈しているのかについても先行研究の調査を行った。
2.インタビュー:R&D活動が実際にどのように行われているのかを明らかにするために、企業勤務経験のある研究者を招いて、R&D活動に対する取り組み、組織間の関係などについてヒアリングを行った。この成果の1つがインタビュー記録太田(2014)である。これによりどのような状況が研究開発費予算の決定に影響を与えるのかを考察することができる。経営者予想の性質を考えるうえで、企業支出のなかでも比較的金額の大きいR&D費決定のプロセスを検討することは重要となる。
3.データの整備:検証に用いるデータの整備を行った。財務諸表に掲載されたR&D情報のデータベース化および整理を行い、また紙媒体であった資料についてはエクセル形式に起こすなどした。加えて基本的な分析としてR&D企業が財務上どのような特性を有しているのかを明らかにした。これらの作業により、R&D企業の実態に即した仮説の設定、検証を行うことができるようになり、次年度以降の検証にすぐに着手できる状態となった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究目的の遂行にあたっては当初計画した研究計画・方法にしたがっており、本年度の実績は研究実績の概要にも示した通りである。各活動ごとに自己点検を行った結果は以下のとおりである。
1.文献レビュー:当初の予定はR&D企業の性質についてのレビューまでであったが、R&D企業の性質および公表する情報が株式市場でどのように評価されているのかということについても先行研究調査を行うことができた。レビューについては、当初の計画よりも若干早いペースで行われている。
2.インタビュー:インタビューについては、当初予定していた通りに行うことができた。ただしインタビューを行ううちに、より精緻な仮説設定を行うためには、更なるインタビューを行ったほうが良いという考えに至った。そこでH26年度のはじめに追加的にインタビューを行う予定である。インタビューに関しては当初計画に比べて作業量が増加したことにより若干遅れているといえるが、インタビューと仮説構築はある程度は当時進行が可能なので計画の遂行にあたっての問題は小さいと考えられる。
3.データ整備:今後の検証に用いるデータの発掘・整備を行うことが当初の計画であった。今後の研究に用いることができそうな資料を何点か発見したほか、研究開発費についての財務データの整備とディスクロージャー関係の資料(紙媒体)をエクセル形式で作成した。計画以外の作業としてR&D企業が財務上どのような特性を有しているのかについての分析も行った。データ整備に関しては少し早いペースで進行しているといえる。

Strategy for Future Research Activity

現在までの進行は概ねスケジュールどおりであり、本研究課題は今後、当初の研究計画・方法にしたがって着実に推進していく。若干の計画変更が必要なのはH26年のはじめに行われる追加のインタビュー調査であるが、該当期間に当初行う予定であった仮説構築はある程度、インタビューと並行的に行うことが可能であるため、計画変更が研究の遂行に与える影響は小さい。以下、年度ごとに今後の研究の推進方策を示す。
1.H26年度、実証分析:当年度で行われる検証は「経営者予想はR&D企業の将来業績予想に役立っているのか」というものである。導出された仮説が妥当性を有しているのかについて、現実の財務、証券データを当てはめて検証する。具体的には(1)H25年度に行った先行研究および事例研究レビュー、インタビューそしてR&D企業の財務特性をもとにした検証仮説の設定、精緻化を行う。加えて今後の分析に必要な計量経済学的な手法についても並行して習得する。(2)H25年度に整備を行ったデータ・セットに加えて、アナリスト予想のデータベースを用いた統計分析を行う。
2.H27年度、実証分析と成果の公表:これまで行ってきた分析に加えて「経営者予想、アナリスト予想の有用性の相違」「経営者予想、アナリスト予想の有用性についての市場の評価」について検討を行う。そしてこれまでの研究成果の外部への公表を行う。よって(1)H26年度に引き続き、検証仮説の設定と精緻化およびデータを用いた分析を行う一方、(2)それら成果を報告するための学会発表および論文執に注力する。

  • Research Products

    (3 results)

All 2014 2013

All Journal Article (2 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Managing Downsizing Strategy and Organizational Change: An Analysis on Diversified Firms in Japan2014

    • Author(s)
      Masatoshi Fujiwara・Yu Ishimitsu
    • Journal Title

      京都産業大学総合学術研究所所報

      Volume: 第9号 Pages: 印刷中

  • [Journal Article] インクジェットプリンタ開発を率いて2014

    • Author(s)
      太田徳也(石光裕・藤原雅俊)
    • Journal Title

      京都マネジメントレビュー

      Volume: 第24号 Pages: 135-155

  • [Presentation] Managing Downsizing Strategy and Organizational Change: An Analysis on Diversified Firms in Japan2013

    • Author(s)
      藤原雅俊・石光裕
    • Organizer
      The 8 Colloquium on Organisational Change & Development
    • Place of Presentation
      Vlerick Business School, Belgium
    • Year and Date
      20130912-20130913

URL: 

Published: 2015-05-28  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi