2015 Fiscal Year Annual Research Report
ケース・スタディに基づく日本的管理会計の研究―製造現場の責任会計に着目して―
Project/Area Number |
25780302
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
足立 洋 県立広島大学, 経営情報学部, 准教授 (60585553)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 責任会計 / ケース・スタディ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は,研究実施計画に基づいて以下の2点につき研究活動を実施した。 第一は,平成26年度に引き続いてのインタビュー調査を中心としたケース・スタディによるデータの収集である。特に今年度は,製造企業におけるインタビュー調査に加え,中小IT企業へのインタビュー調査を実施した。そこで明らかになったのは,現場において会計数値を用いた経営管理実践が想定以上に行われていたことであった。具体的には,それらの企業では,イントラネットやクラウドサービスの仕組みの中で,会計実績が週単位ないし日単位で反映されていた。そして,それらの実績値は,現場従業員の誰もがいつでも見ることが可能な仕組みとされていた。これらの調査データについては現在整理作業を進めており,平成28年度の日本原価計算研究学会全国大会にて報告する予定である。また,論文を執筆し,同学会が刊行する『原価計算研究』にも投稿する予定である。 平成27年度の第二の研究活動は,海外の学術雑誌への投稿に向けた英語論文の執筆である。報告者は平成26年度より,管理会計実践における日本的特徴に焦点を当てながら,製造現場の原価管理に関する英語論文の作成を進めてきた。平成27年度もこの研究テーマの洗練を進め,平成27年10月に大阪経済大学にて開催された管理会計セミナーにて研究報告を行い,海外からの招聘講師によるコメントを受けた。そのうえで,この論文をさらにブラッシュアップし,公益財団法人メルコ学術振興財団の英語ディスカッションペーパーを完成・投稿した。これは平成28年3月に同財団ホームページ上で公開された。そして現在は,この論文にさらなる改善を加え,海外学術雑誌への投稿の最終準備を進めている。
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Research Products
(4 results)