2013 Fiscal Year Research-status Report
東日本大震災支援における市民セクターの布置と機能についての社会学的研究
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25780316
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Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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| Research Institution | Hosei University |
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Principal Investigator |
仁平 典宏 法政大学, 社会学部, 准教授 (40422357)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | 支援の地域間格差 / 支援活動の世代差 / 災害の脆弱性モデルの修正 / 石巻モデルの修正 |
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| Research Abstract |
本課題の目的は、東日本大震災における市民活動の全体像を捉えることである。２０１３年度は、マクロな布置構造の把握と事例分析という二つの方向から調査・分析を実施した。
マクロな布置構造の分析としては、まず中央共同募金会による支援団体向けの「災害ボランティア・NPO活動サポート募金」で助成を受けた支援団体のリストの構築を行い、活動時期や場所、内容の分布と偏りなどについて検討した。さらに、どのような地域で多くの活動が行われているのかその規定要因を検討するために、地域の社会構造変数やメディア報道数、被害規模などとの相関分析および多変量解析を行った。さらに、団体ベースだけではなく個人ベースの傾向も把握するために、東日本大震災で活動したボランティアの計量データの二次分析も行い、阪神淡路大震災とのボランティア活動者の参加者の社会的属性の異同について分析した。
事例分析としては、被災自治体分析の一環として、岩手県陸前高田市で調査を行った。ここは多くのボランティアや支援団体を受け入れた上に、「奇跡の石巻モデル」として注目された宮城県石巻市とは行政と住民・市民との連携の組み方などの点で対照的なコーディネーションが行われた地域であり、そのため自治体分析の端緒として理論的に興味深い調査対象である。ここでは、ボランティアコーディネーションにおいて中心的な活動を担っていた現地団体の代表や、現地で活動した各種の支援団体、後継のコーディネーション団体、サービスの受け手側である仮設住宅自治会長への聞き取りなどを行った。
研究成果の一部は、数理社会学会の『理論と方法』で論文を発表したほか、日本学術会議（社会学委員会社会学コンソーシアム分科会）、関東社会学会、日本ＮＰＯ学会という３つの学術会議報告で知見を発表した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・岩手県陸前高田市における事例分析については予定通りの達成を行うことができた。
・マクロな布置分析においては、当初の予定では東日本大震災全国支援ネットワーク（ＪＣＮ）に参加した団体のリストの構築を予定していたが、中央共同募金会の助成金である「災害ボランティア・NPO活動サポート募金」の助成団体のデータベース構築と分析を優先させた。それはこちらの方が、より多くの団体が含まれており、マクロな布置を把握するうえで有効と判断したためである。ＪＣＮの登録団体に対する分析は、次年度以降の持ち越しとなった。
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| Strategy for Future Research Activity |
・基本的な調査方針はこれまでの通りである。次年度以降に変更になったＪＣＮ加盟団体への調査なども行う。
・同時に、申請時点よりも、東日本大震災の支援団体やボランティアに関するデータベースや調査データが多く発表されていることを踏まえ、これらも活用することで、調査を重複させる「調査被害」をなくし、より効率的に全体像をとらえていくことを目指す。
・申請時点では実態把握を優先していたが、それに加え、最終的には日本型の「市民社会」の構造と変容に関する理論的知見を産出することを目指す。そのために先行する理論研究の把握と分析を行っていく。
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