2016 Fiscal Year Annual Research Report
Strata of Destination and Social Isolation of Elder People
Project/Area Number |
25780319
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Research Institution | Yokkaichi University |
Principal Investigator |
三田 泰雅 四日市大学, 総合政策学部, 准教授 (30582431)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 社会参加 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、現役時代の到達階層が、高年期の社会参加に与える影響を明らかにするため、三重県四日市市の前期高齢者を対象に質問紙調査を行なった。最終年度では、調査結果の分析が中心となった。分析にあたっては、社会参加を、団体参加、地域への参加意欲、ソーシャルサポートの三側面から検討した。 第一に、地域における集団参加では、町内会や自治会、同窓会などには多くの人々が参加しているものの、活発に活動している人はごく一部にとどまっていた。いっぽう、趣味やスポーツの会への参加に参加している人は全体の3割前後ではあったが、そのうち活発に活動している人が半数以上おり、団体の性質によって参加者の活動程度に違いがある傾向が示唆された。また階層との関係では、いずれの町内会や自治会、また趣味やスポーツの会のいずれとも、学歴が高いほど参加比率が高く、また役員をしている割合も高かった。 第二に、コミュニティ・モラールに注目して地域への参加意欲をみてみると、定住意欲はおおむね高く、地域の安全に対する評価も高いなど、現在の地域に対して肯定的なイメージをもつが、地域の人々との一体感といった面では評価が低く、共同体へのコミットは高くない傾向があった。階層との関係では、学歴が高いほど、市会議員の選出など政治参加に関して積極的な意見であった。 第三に、ソーシャルサポートに注目して個人的な関係の広がりをみてみると、手段的サポートは配偶者や近親、親族に近隣関係・友人と続くこと、情緒的サポートでは配偶者・近親の後で、友人・近隣と続くことが明らかとなった。男女別では、男性がサポート源として配偶者に多くを依存していたのに対し、女性では相対的に多様なサポート源からサポートを調達していることが明らかになった。
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