2017 Fiscal Year Annual Research Report
A sociological analysis on the theme of 'nationalism and the phenomena surrounding the formation of a "civilised" self-image'
Project/Area Number |
25780323
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹内 里欧 京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 准教授 (40566395)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ナショナリズム / 文明化 / 近代日本 / 西洋化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では「ナショナリズムと『文明的』自己像形成をめぐる現象」というテーマについて比較・歴史社会学的考察を行うことを目的とし研究を行った。最終年度である本年は、前年度までの不足作業分を補うと同時に論文執筆等を行った。図書の一部(竹内里欧「佐々木邦と『ユーモア小説』―都市新中間層のハビトゥスと『抵抗』戦術」稲垣恭子他編『新・教職教養シリーズ2020 第12巻 社会と教育』、協同出版、近刊)を執筆し、事典項目(竹内里欧「第Ⅲ部 教育社会学の研究領域」「第1章 社会化と人間形成」「子どもの発見」日本教育社会学会編『教育社会学事典』、丸善出版、2018年)が発行された。図書(竹内里欧「佐々木邦と『ユーモア小説』―都市新中間層のハビトゥスと『抵抗』戦術」『新・教職教養シリーズ2020 第12巻 社会と教育』)は、昭和初期を中心に活躍し、「西洋」への憧れを喚起し、「文明的」・「合理的」な価値観や近代日本社会における「紳士(ジェントルマンシップ)」という理想像の普及において強い影響力をもった小説家佐々木邦についての分析である。特に、近代日本の都市新中間層において、西洋的な価値観や文化、ライフスタイルの流布、「文明的」な理想像の構築・普及がいかに起こったかに注目しつつ考察を行った。また、事典項目執筆(竹内里欧「子供の発見」『教育社会学事典』)は、アリエス等の理論について整理・検討したものである。また、放送大学講義にゲストとして参加し、上記の図書、事典項目に関係する内容の講義を行った(2017年度放送大学講義「教育文化の社会学(’17)」(稲垣恭子担当)の第2回、第4回)。その他に、シンポジウムのパネリスト(「『人生の社会学』は可能か―生活史と他者理解」(講演者 立命館大学岸政彦先生)のパネリスト、於京都大学、 2018年1月22日 )をつとめ、社会学的研究の方法論にかんする検討も行った。
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