2015 Fiscal Year Annual Research Report
男性退職者の「地域生活者尺度」の開発―自殺予防に向けて―
Project/Area Number |
25780351
|
Research Institution | Den-en Chofu University |
Principal Investigator |
和 秀俊 田園調布学園大学, 人間福祉学部, 講師 (80567842)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 地域愛着感 / 地域生活者 / 男性退職者 / ボランティア / 孤独感 / 自殺予防 / 尺度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、男性退職者の「地域生活者尺度」を開発することが目的であるが、研究を進めていく中、1つの尺度では男性退職者が地域生活者となることを測ることが難しいことがわかってきた。そこで、地域生活者となることを測るためには、意識面と行動面に分けて測定することが妥当であるということになった。意識面を測る尺度は、2014年に筆者らが「地域愛着感尺度」を開発しているため、本研究の目的を行動面を測る尺度を開発することに軌道修正することとした。また、地域生活者となることが孤独感を軽減させ、自殺予防につながる可能性も検討することも研究目的に追加し、地域愛着感とボランティア活動、孤独感の関係を検討することとした。 そこで最終年度は、地域生活者となる行動面を測る尺度開発を目指し、平成26年度に行った質問紙調査の結果を計量的に分析した。その結果、高齢者のボランティアの構造がある程度明らかになったものの、尺度開発までには至らなかった。しかし、男性退職者は、地域愛着感が高まることでボランティア活動への参加が促進され、それにより孤独感が低減することが示唆された。したがって、男性退職者は、地域愛着感が高まりボランティアに参加することによって地域生活者となり、それによって、孤独感が軽減され、自殺予防につながる可能性を示すことができた。 また、これらの結果をもとに、自殺率の高い自治体である富山県において、講演会とワークショップを行った。これらの研究成果は、最終年度に学会発表および学術誌に投稿することができなかったため、平成28年度に実施する予定である。
|