2013 Fiscal Year Research-status Report
地域福祉活動実践における「地域福祉の推進力(アウトカム)」評価指標の構築
Project/Area Number |
25780353
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Matsumoto University |
Principal Investigator |
佐藤 哲郎 松本大学, 総合経営学部, 講師 (50510799)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | プログラム評価 / 地域福祉活動実践 / アウトカム評価 |
Research Abstract |
研究方法として次のように実施した。①社協ワーカーが関わりながら地域福祉活動を通じて「地域の福祉力」を促進している地域(2か所)の関係者に対しフォーカス・グループ・インタビュー及び活動状況の場面の観察を行い活動(実践)プロセスを把握する。②筆者が仮説生成した「社協ワーカーの援助プロセス理論」を分析枠組に用いて上記のプロセスを分析する。③上記を通じて住民の地域福祉活動がどのように高まっていったのか、そのプロセスや要因等を質的に仮説生成する。 研究結果として以下のことを見出した。第1に筆者が仮説生成した「社協ワーカーの援助プロセス理論」のプロセスを踏まえて地域福祉活動が展開されていた。 第2に新たな知見としては、地域福祉活動を経験することにより住民の中から【媒介者の役割】を担う人が現れ、住民間で生じる[認識の違いの調整]を行っていたことである。<認識のズレ>→<ズレの解消>→<認識の変化>というプロセスを経た結果、住民活動の進展とそれに伴う住民の主体性の促進が生じるのではないかとの仮説を見出すことができた。この【媒介者の役割】は従来、社協ワーカー等の専門職が行う専門的技術であると認識されており、今後の地域福祉活動実践を考えていく上では、従来の活動者だけではなく、住民間に入って調整を行う媒介者としての要素も視野に入れた人材育成が求められるだろう。 第3に新たな住民活動を展開する際に、自治会を含め住民との軋轢が生じる場合がある。そこから新たな活動に至るプロセスの一つとして[針のムシロ状態からの脱却]を経験し、住民等から<小さなリフレクション>を得ることで、活動者としての大きな手ごたえや成長につながり、その結果として活動そのものの多様性や変化を生じさせていくことにつながる可能性を見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請者が以前採択された科研補助事業「社協ワーカーの専門職自己評価指標の構築」(課題番号23730561)は23~24年度の予定であったが、諸事情により25年度まで期間延長を行った。 そのため、本研究については当初のインタビュー予定を大幅に変更せざるを得なくなったためである。
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Strategy for Future Research Activity |
予定より遅れている住民活動者へのインタビュー調査を26年度において中心的に行っていく。それらのインタビューテクストから質的データ分析を行うまでを26年度の目標としたい。 併せて、申請者の研究フィールドから介護保険事業の一つである地域支援事業におけるアウトカム評価に向けた調査・検討を依頼されている。特に地域支援事業は社協が地域住民と関わりながら展開される事業のため、本事業を中心にアウトカム評価指標を構築することも検討していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
申請者が以前採択された科研補助事業「社協ワーカーの専門職自己評価指標の構築」(課題番号23730561)は23~24年度の予定であったが、諸事情により25年度まで期間延長を行った。 そのため、本研究については当初のインタビュー予定を大幅に変更せざるを得なくなったため助成金の執行に大幅な変更が生じてしまった。 ①インタビュー調査に係る出張旅費及びテクスト入力謝金、②研究スーパービジョンを受けるための旅費、③物品購入費等により使用予定である。
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Research Products
(1 results)