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2014 Fiscal Year Research-status Report

犯罪被害者のトラウマ・ソーシャルワーク理論化と実践モデルの構築

Research Project

Project/Area Number 25780360
Research InstitutionMukogawa Women's University

Principal Investigator

大岡 由佳  武庫川女子大学, 文学部, 講師 (10469364)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2017-03-31
Keywords犯罪被害者 / 支援 / 生活支援 / ソーシャルワーカー
Outline of Annual Research Achievements

本年は、課題テーマ「犯罪被害者のトラウマ・ソーシャルワーク理論化と実践モデルの構築」の2年目として、本邦における犯罪被害者に対する支援モデルを検討していく必要にあった。支援モデルを検討する上で、現在の犯罪被害者がどのような支援をどの時期にどのような者から提供されているか、また実際に犯罪被害者が求めている支援とは如何なるものか生活上のニーズを明らかにする必要があった。そこで、今年度は実態調査(WEB調査)を実施した。調査期間は、2015年3月6日-3月10日の5日とし、NTTコムオンライン・マーケティング・ソリューションにモニター登録している者らを対象に、WEB調査を実施した。その結果、殺人・殺人未遂11名、傷害等の暴力犯罪34名、交通事故401名、性犯罪50名、その他15名の計511名から回答を得た。結果から明らかになったことは、現行の犯罪被害者支の相談窓口や支援制度は、市民に周知されておらず、実際の犯罪被害者の利用に至っていないことであった。一方、生活の問題をもつ被害者は多く、とくに、早期からの支援の必要性が調査から明らかになった。特に、買い物、通院、食事の支援のニーズが高く、また、相談時に、専門の相談員が対応してくれる体制確保や、プライバシーや経済的負担への配慮、具体的な支援の実施を被害者は求めていた。調査から明らかになったこととして、犯罪被害後、早期からソーシャルワーカーが関わることが出来る公の体制確立が急務であることが挙げられた。その仕組みづくりのためには、既存の地方公共団体の相談窓口への生活支援に関わる専門職配置と、それらの専門職へのトラウマ・ソーシャルワークの方法論の提示・研修が必要不可欠であることが想定された。本研究の結果をもとに、時期別に分けたソーシャルワーカーの関わり方について今後検討を進めていく予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

犯罪被害者の支援をする上で、それらの犯罪被害者の実態を掴む必要があったが、その実態が昨年度に達成できたため、あとは、その実態に基づく支援モデルを検証していくことが出来る。概ね順調に進展していると判断できる。
なお、交付申請書記載時に、海外の支援状況も確認すると明記していたが、調査を進める中で、福祉制度等が国によって異なるために、実際の生活支援を行う際には、一概に海外の支援モデルが適用できないとの判断に至った。そのため、国内の現行の支援の状況確認と、その状況に対しての支援モデルの検討を主に取り扱った。

Strategy for Future Research Activity

犯罪被害者支援を、事件直後、中長期支援の2つに分けて、それらの支援をどの機関が担うか明確にした上で、ソーシャルワーカーの関与のあり方;支援モデルを今後は検証していく。
また、昨年度の研究結果から、犯罪被害者支援の公のシステムの変容なくして、実際のソーシャルワーク実践が活性化しないことが明らかになったため、内閣府の推進会議等の参考資料として本研究課題結果を提出し、施策反映できるように取り組んでいく。
さらに、海外の犯罪被害者支援におけるソーシャルワーカーの取り組みで注目すべき点などについても検討を進めていく予定である。

Causes of Carryover

昨年度は調査経費の関係で、残額が生じたが、その理由は、調査委託会社に必要な費用が想定していたよりも値引きされたためである。それらの残額を今年度有効活用していく予定である。

Expenditure Plan for Carryover Budget

本年度の課題は、犯罪被害者支援モデルに基づく、スクリーニングチェックリストとアセスメントシートの作成である。
昨年度の調査報告とともに、研究報告書を作成するために助成金を使用する予定である。

  • Research Products

    (7 results)

All 2015 2014

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 3 results,  Acknowledgement Compliant: 2 results) Presentation (3 results) (of which Invited: 1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 性犯罪被害児・者の実態とその課題-民間被害者支援団体の調査結果を踏まえて-2015

    • Author(s)
      大岡由佳、野坂祐子、中島聡美、岩切昌宏
    • Journal Title

      学校危機とメンタルケア

      Volume: 7 Pages: 55-68

    • Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
  • [Journal Article] 患者・家族から暴言・暴力を受けたスタッフのケア2014

    • Author(s)
      大岡由佳
    • Journal Title

      看護主任業務

      Volume: Vol.23No.6 Pages: 41-45

    • Open Access
  • [Journal Article] 犯罪被害者支援にソーシャルワークは必要か?‐民間支援団体の性被害者支援の現状から見えてくる課題~2014

    • Author(s)
      大岡由佳
    • Journal Title

      精神保健福祉

      Volume: vol.45 No.3 Pages: p232-233.

    • Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
  • [Presentation] 子どもの性犯罪被害者の実態-精神保健福祉的視点の必要性を考える2014

    • Author(s)
      大岡由佳
    • Organizer
      日本精神保健福祉学会
    • Place of Presentation
      愛知淑徳大学(愛知県,名古屋)
    • Year and Date
      2014-06-27 – 2014-06-27
  • [Presentation] 犯罪被害者支援にソーシャルワークは必要か?2014

    • Author(s)
      大岡由佳
    • Organizer
      日本精神保健福祉学術集会
    • Place of Presentation
      大宮ソニックシティ(埼玉県,大宮市)
    • Year and Date
      2014-06-21 – 2014-06-21
  • [Presentation] 子どもの被害者への急性期介入 (シンポジウム登壇者)2014

    • Author(s)
      大岡由佳、野坂祐子、中島聡美
    • Organizer
      日本トラウマティック・ストレス学会
    • Place of Presentation
      ふくしまコロッセ(福島県,福島市)
    • Year and Date
      2014-05-18 – 2014-05-18
    • Invited
  • [Book] 『こころの健康シリーズⅥ 格差社会とメンタルヘルス』「犯罪被害者とメンタルヘルス」2014

    • Author(s)
      大岡由佳
    • Total Pages
      1-8
    • Publisher
      日本精神衛生会

URL: 

Published: 2016-06-01  

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