2015 Fiscal Year Research-status Report
発達障害者と統合失調症者の生活機能に関する比較研究
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25780365
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Research Institution | National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities |
Principal Investigator |
鈴木 さとみ 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 企画・情報部(併任研究所), 医療社会事業専門職 (00648561)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 自閉スペクトラム症 / 統合失調症 |
Outline of Annual Research Achievements |
自閉スペクトラム症(ASD)のある成人と統合失調症のある成人の社会生活機能を比較する一環として,Asperger Syndrome Diagnostic Interview (ASDI)日本語版を両群に,Autism Quotient日本語版(AQ-J)を統合失調症群に施行した. AQをASD者と統合失調症者に施行した研究(Lugnegård T ら:2015)では,AQスコアにおいて両群に有意差はみられたものの,両群とも定型発達群のスコアよりも高く,識別力もAUC=.65で重なりが大きいことが報告されている. 対象は,A県の診療所に外来通院する成人のASD者41名とB県の地域活動支援センターを利用する成人の統合失調症者37名であった.ASD者はDSM-Ⅳ-TRにより「自閉性障害」もしくは「アスペルガー障害」,「広汎性発達障害特定不能のもの」と診断を受けており言語による意思疎通が可能な者を対象とした.統合失調症者はICD-10により「統合失調症」と診断を受けている者で,高等学校を卒業し,療育手帳を所持していない者を対象とした. 結果,AQスコアは統合失調症群において21.97±5.87 (8-33)で,若林ら(2004)の報告における日本人のASD群37.9±5.31よりも低く,定型発達の社会人群18.5±6.21よりも高かった.統合失調症群においてカットオフを上回った者は10名であった.ASDIスコアの平均値は,ASD群が5.05±.89(3.00-6.00),統合失調症群が0.92±.89 (.00-3.00)であり,ASD群は3~6点の間に分布し,統合失調症群は0~3点の間に分布していた. 今後は,上記対象者に国際生活分類に基づく質問紙を施行し,生活状態の比較を行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
自閉スペクトラム症のある人と統合失調症のある人について、既存のアセスメント票を用い比較を行った結果、AQについては海外の研究結果と一致した。 次のステップとして同様の対象者に国際生活分類に基づき作成した調査票を施行し,生活機能の比較を行う予定であったが,別の業務との重なりと妊娠悪阻のため当初の予定通り研究を遂行することが難しくなった.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は今年度で終了となるため,別の研究の一部として継続する予定である.
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Causes of Carryover |
別の業務が多忙になり、また妊娠悪阻のため当初の予定通り研究を遂行することが難しくなったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
調査結果についてICFの枠組みを用いて分析を行う.
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