2015 Fiscal Year Research-status Report
乳幼児の時間的認識と自他関係:協力行動及び選択行動による検討
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25780386
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
吉田 真理子 三重大学, 教育学部, 講師 (30609178)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 自己 / 他者 / 過去 / 未来 / 会話 / いざこざ |
Outline of Annual Research Achievements |
自己と他者の時間的共有をテーマに,おおよそ1年を通して2つの観察調査を実施した。 1つ目の調査では,4歳児と5歳児を対象に,おおよそ1年を通して日常生活の中で子ども同士がどのように過去に言及したり会話をしたりするのかを調べた。この調査の目的は,子どもがどのように自己の過去を他者に伝えたり,他者の過去を理解したり,さらには共有した過去の事実やそれに対する主観的感情についてネゴシエーションしたりするのかを調べるものであった。分析途中であるが,会話の話題は,自己と他者が共有する園生活での経験を話題にあげることが多いことから,4歳以降の子どもは,自己と他者が同じ過去を経験しているということを理解していることが示唆された。また5歳児は,過去に関する会話の中で,他者に対して質問をすることが多くみられることから,過去に関するネゴシエーションがより頻繁にみられはじめることが示唆された。 2つ目の調査では,過去の事実に対して食い違いが生まれ得る場面として,自己と他者にいざこざという場面の中で,子どもがどのようにいざこざの事実について言及するのかというものを調べるものであった。現在,分析中であるが,いざこざの当事者ではなく第三者としてであれば,どの年齢でもいざこざの過去の経緯についての目撃証言がみられることなどがわかった。今後,いざこざの当事者同士のネゴシエーションについて明らかにすることによって,いかに過去の事実が食い違っていたり,それをすり合わせたりするのかを明らかにしたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
観察調査の分析に時間がかかっているのと,観察や実験をさせて頂くための関係づくりに追われてしまっていることが原因となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
観察調査をひと段落し終えたので,実験に力を置いて進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
今年は観察調査が主であり,実験補助のための人件費が必要となくなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度に使用する予定である。
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Research Products
(3 results)