2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25780395
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Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
田村 綾菜 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 教育福祉学部, リサーチレジデント (70617258)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 表示規則 / 言語表出 / 発達過程 / 発達障害 / P-Fスタディ |
Outline of Annual Research Achievements |
表示規則とは、どのような場面でどのように情動を表出すべきかといった情動表出に関するルールのことである(Ekman & Friesen, 1969)。本研究では、言語表出の調整という側面に着目し、多様な場面を含む言語的な表示規則の発達過程を検討することを目的としている。これまで、成人および発達障害のある小中学生を対象に、P-Fスタディを修正した課題を用いて調査を実施し、相手に心配をかけないための儀礼的な嘘や、自己呈示的な道具的謝罪など、成人および発達障害児で同様の反応パターンがみられることを確認してきた。平成27年度は、定型発達児を対象とした同様の調査を実施し、各学年の発達的特徴を明らかにすることと、発達障害児との比較を通してその特徴を明らかにすることを目的とした。小学1~6年生を対象とした調査の結果、年齢が上がるにつれて内心と発言の一致率が低くなるという傾向が確認され、年齢が上がるにつれ、自分の気持ちをそのまま表すのではなく、違うことばに置き換えて表す場面が多くなることが示唆された。この結果は、新たな課題を用いて言語的な表示規則の発達過程を明らかにしたという点において貴重な成果であり、今後の分析によって言語的な表示規則の発達過程の詳細をさらに明らかにすることにつながる意義のある成果であるといえる。しかしながら、対象者が21名と少なく、各学年の特徴の検討や発達障害児との比較には至らなかったため、次年度以降、継続して調査を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画通り、定型発達児を対象とした調査を実施できたものの、確保できた研究参加者の人数が想定よりも少なく、学年ごとの分析が困難であったため。
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Strategy for Future Research Activity |
定型発達児を対象とした調査を継続して実施し、学年ごとの特徴を明らかにするとともに、発達障害児の結果との比較を通して、コミュニケーションの発達支援の手がかりを探る。
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Causes of Carryover |
確保できた研究参加者の人数が想定よりも少なく、追加データを収集する必要が生じたことと、発表を予定していた学会が今年度中に開催されなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
追加調査と学会参加の経費に充てる予定である。
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[Presentation] Referential communication of children with autism spectrum disorder.2015
Author(s)
Tamura, A., Tsunemi, K., Ogawa, S., Yoshikawa, S., & Masataka, N.
Organizer
the 17th Annual International Conference of the Japanese Society for Language Sciences
Place of Presentation
B-CON Plaza, Oita (Beppu)
Year and Date
2015-07-18
Int'l Joint Research