2013 Fiscal Year Research-status Report
不眠症患者における睡眠評価の歪みを説明する要因の解明
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25780407
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
山本 隆一郎 上越教育大学, 学校教育研究科, 講師 (30588801)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 不眠 / 睡眠評価の歪み / 認知行動療法 |
Research Abstract |
平成25年度は、本研究課題の遂行にあたり、(1)不眠症患者における睡眠評価の歪みを説明する要因の仮説モデルに関する文献研究、(2)文献研究に基づき構築された仮説モデルの検証研究準備を行った。 文献研究では、不眠症(特に臨床的関与の対象として症状保有率の高い入眠困難)の訴えを呈する者が、入眠潜時を客観評価よりも主観的に長かったと報告する(あるいは評価される)背景について検討した。その結果、(a)睡眠の客観評価・主観評価そして歪みに関する操作的定義のあり方と測定のばらつきの影響、(b)入眠困難者の時間評価能力が障害されている可能性、(c)状況依存的に入眠困難者の時間評価が変化する可能性が背景として存在する事が考えられた。批判的レビューの結果、時間評価能力の障害は多くの研究で否定されており、変数の操作的定義と測定のばらつきの影響はあるものの、それだけでは睡眠評価の歪みを説明することはできず、個人の状態と環境との相互作用の中で時間情報の処理にバイアスが生じていることが強く影響していると考えられた。このことは、不眠症という症候群の病理を理解することに繋がり、既存の薬物療法や認知行動療法に基づく支援の意義を説明すると同時に、不眠症者の主観的苦悩を改善させる支援方略の整備に寄与すると考えられた。なお、本文献研究の成果は学術論文として上越教育大学心理教育相談研究に報告された。 平成25年度末は、この文献研究を通じて構築された仮説モデルを検証するための研究計画を作成し、観察研究の準備を行った(平成25年度末に研究倫理委員会に研究計画の申請中であり、平成26年度初旬より実施予定である)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時点での研究をさらに精緻化するために文献研究を観察研究の前に導入したが、大きな研究実施の遅れはない。また、この文献研究の作業は最終年度に観察研究を報告する際の背景の整理の作業も兼ねており総じて、合理的に研究が進展していると考えている。また、観察研究に関してもデータ収集フィールドとの連絡も密に行っており、計画期間の範囲内で遂行できる見込みと余裕が現在のところ十分にあると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に文献研究を行った関係で、予算上計上したものの実施しなかった研究フィールドでの打ち合わせを平成26年度初旬に数回行い、データ収集や管理などの研究環境整備を徹底し、平成26年度中旬以降から本研究の中心である観察研究を実施する予定である。現在のところ特段研究実施の障壁もなく、また障壁がある場合にも研究計画時に時間的ゆとりを設定しているため、突発的な問題にも対応できる余裕があると考えられる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究を合理的かつ学術的価値を高めるために当該のテーマに関する文献研究の執筆を追加で行ったため、平成25年度に予定をしていたデータ収集計画を平成26年度に移行した。特に、データ収集フィールドに赴いて打ち合わせを行うための旅費を使用しなかった。その代わり平成26年度からの研究の進行を合理的に進めるため必要物品の整備などを並行して行った。 平成26年度は、実際のデータ収集が中心になるため購入した物品の設置や打ち合わせ、データ管理の確認などで移動費用が必要になる。また、実際のデータ収集で必要となるアンケートの印刷や検査消耗品の整備に使用する予定であり、計画的に執行できる見込みである。
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