2015 Fiscal Year Research-status Report
うつ病を合併したパニック障害に対するアクセプタンス&コミットメントセラピーの効果
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25780409
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
田中 恒彦 滋賀医科大学, 医学部, 特任助教 (60589084)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | パニック障害 / 認知行動療法 / アクセプタンス&コミットメントセラピー |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度には被験者の募集の目的もあり,4月にパニック障害についての市民公開講座を行った。2カ所にて行った結果,総勢120名の参加者があり,10名程度の研究参加希望者がエントリされることとなった。無作為化試験については,2名のセラピストが認知行動療法とACTそれぞれを10名の対象者に実施した。 CBT群では初回時平均10.2点であったPDSS得点が,終了時には4.8点に低下していた。また,ACT群については,初回時平均11.1点であったものが,終了時には5.1点に低下していた。CBT,ACT両群ともPre-Post間で有意な症状の低下を確認することが出来たとともに,セラピー間に有意な差は確認されなかった。また,QOLに関しても,両群ともに比較的緩やかではあるが改善を認めることが出来た。CBT群はACT群と比較し中断が多い(CBT群は11名中2名,ACT群群は9名中中断者0でっあた)傾向が認められた。 平成28年度にはこれまでの被験者データをもとに解析を行い,効果を検証するとともに,論文投稿を目指す。 また,今回の研究において,複数パニック障害を持つ妊婦が被験者となった。すべての患者で予期不安,パニック発作などの症状が改善し,無事出産を行う事が出来た。妊娠中はSSRIを含めた薬物投与が慎重とされるために,代替手段として精神療法の持つ意義は大きいと思われる。これらの妊婦に対して行ったACT,CBTについては,それ自身が研究的意義も大きいことから,個別に同意を取得し,事例研究として論文投稿を行う事を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
治療実施者の教育に時間がかかり,RCTの実施終了が予定より遅れてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度はRCTを終了させ,結果の解析と論文投稿を行っていく。
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Causes of Carryover |
無作為割付試験を実施することが遅れてしまったため。実施する予定であった人数に満たず人件費に余分が生じた。また,計画の遅れから参加予定であった国際学会での発表が行えず,旅費に余分が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
計画例数の実施を最優先に患者のエントリを進めていく。また,現時点までのデータでの中間報告を含むデータ発表を行う。
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