2014 Fiscal Year Research-status Report
社交不安障害に対する認知行動療法の脳科学的基盤の解明:fMRIによるアプローチ
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25780421
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
川口 彰子 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 臨床研究医 (20632699)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 社交不安障害 / fMRI |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】本研究は社交不安障害の病態および心理療法の治療効果解明を脳画像を用いて行うことを目的としている。H26年度は、H25年度に行った、自己意識関連情動に関する課題を用いた、社交不安障害患者と健常者を対象とするfMRI実験データの解析を中心として行った。また、同時に取得した構造画像の視点からも、社交不安障害の病態解明を試みた。 【進捗状況】 H26年度は行動データおよび、MRI画像の解析を行った。中間解析結果を29th CINP World Congress of Neuropsychopharmacology で報告し、その後も解析を進めた。 行動データでは社交不安障害で、自己顔について、健常者よりも有意に恥ずかしさが強かったが、そのために天井効果となり、他者観察による効果の有意差は認めなかった。自己顔に対する恥ずかしさを評定しているときの脳活動として、mPFCが同定された。さらに、自己顔の写真写りのスコアが、社交不安障害では有意に低いという結果が行動データで得られたため、Brief version of fear of negatibe self evaluuation(BFNE)と、全脳で相関分析を行ったところ、mPFCが同定された。このことから、社交不安障害では自己像に対する低い自己評価と高い恥ずかしさが関連しており、それにはmPFCが関与していることが示唆された。現在投稿準備を進めている。また、構造画像も解析を進め、現在投稿準備中である。 【研究の意義と重要性】 自己評価の低さは自己像に対する恥ずかしさと関連が深いと考えられ、これらの脳活動部位としてmPFCが同定された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H26年度はH25年度に得られたデータの解析を中心に行った。結果は概ねまとまっており、投稿準備中である。 また中間解析結果について学会発表を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度中にfMRI 構造画像解析の論文の投稿を予定している。 今後、病態の治療効果との関連や社交不安を呈する他の病態との比較などを検討している。
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Causes of Carryover |
論文投稿を次年度には予定しており、その資料整理のための賃金を確保した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
資料整理のための人件費として使用する。
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