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2013 Fiscal Year Research-status Report

未服薬の成人期の注意欠如・多動性障害患者に対する認知行動療法

Research Project

Project/Area Number 25780422
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionHealth Sciences University of Hokkaido

Principal Investigator

金澤 潤一郎  北海道医療大学, 公私立大学の部局等, 助教 (80632489)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2015-03-31
KeywordsADHD / 成人期 / 認知行動療法
Research Abstract

本研究の目的は成人期の注意欠陥多動性障害(ADHD)患者を対象として,成人期のADHDの認知行動モデルに基づいた基礎研究と認知行動療法の効果研究を行うことであった。本年度は成人期のADHDに対する介入研究を実施するための研究協力者の募集,および介入研究の実施,そして研究協力者のスクリーニング時に調査研究を行った。
研究協力者の募集は,成人期の発達障害の当事者が主宰する患者会,あるいは子どもが発達の問題を抱えるために児童精神科を受診する母親を対象に行った。応募者の中から,①ADHDに対する心理療法を希望する者,②児童期および成人となった現在にADHD症状がDSM-IVの基準を満たす(Conners’ Adult ADHD Diagnostic Interview For DSM-IV:CAADIDを用いた),③他の発達障害を併存している場合,ADHDが主要な発達障害である,④20歳から60歳まで,⑤統合失調症,認知症,およびパーソナリティ障害の診断を受けていない(訓練を受けた大学院生が半構造化面接であるThe Structured Clinical Interview for DSM-IV Axis I Disorders:SCID-Iを用いて判断した),⑥心理療法を行うため,知能指数が80以上(WAIS-IIIによる言語理解を採用した),⑦研究開始時に成人期のADHDに対する薬物療法と心理療法を行っていない,という条件を満たす者を対象とした。その後,これらの包括基準を満たした者の中で,日程が調整できた者3名に対して1回60分の個人形式の介入を6回1セットで実施した。さらに研究協力者の募集の際に,成人期のADHD患者で問題となりやすい育児に関する質問紙研究も併せて実施した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は成人期のADHDに対する介入研究を実施するための研究協力者の募集,および介入研究の実施,そして研究協力者のスクリーニング時に調査研究を行った。当初の計画では1年目に研究協力者の募集とスクリーニングを実施し,2年目に介入研究を行う予定であった。しかし研究の実施にあたり,応募者は大半が自らADHDを疑いながら未診断の者であったためにスクリーニングによって陽性の疑いが強まると,早期に心理療法や薬物療法による支援を求める者がほとんどであった。そのため,初年度からスクリーニングと介入研究を同時に実施せざるを得ない状況となった。
さらに研究期間にADHDに対する治療薬が成人にも適用することが可能となったため,スクリーニングで陽性で介入研究を実施する予定となっていた者の中で薬物療法を開始した者も多数みられた。ADHD治療薬を未服薬の者に対する心理療法の効果を検討することが本研究のオリジナリティであるため,予定よりも少数の研究協力者となっている。しかし研究協力者の募集,スクリーニング,介入研究の実施という研究の手続きを経験したために研究のノウハウを蓄積することができた。2年目にはこのノウハウを活用して,研究協力者の増加を目指すことを目標としている。
ADHDをもつ母親の子どももADHDをもつことは頻繁に認められる。スクリーニングを実施すると同時に,ADHDをもつ母親に対して育児に関する質問紙研究を実施できたことは,今後の成人期のADHDに関する貴重な基礎資料となる。2年目も同様に調査研究も推進していく予定である。

Strategy for Future Research Activity

本年度は成人期のADHDに対する介入研究を実施するための研究協力者の募集,および介入研究の実施,そして研究協力者のスクリーニング時に調査研究を行った1年目の活動によって研究協力者の応募,各種検査によるスクリーニング,そして介入研究の実施という一連の手続きの実施に当たっては,大きな問題はなく実施していくことが可能であることがわかった。2年目はより多数の研究協力者の応募が必要となる。この点に関しては,研究協力を依頼することが可能な患者会やNPO法人,あるいは医療機関を増やしている所である。そのため,2年目には多くの研究協力者の確保が可能となる。
研究協力期間が増えることはもちろんメリットではあるが,介入実施場所の確保や,研究協力者とのより綿密な日程調整が必要とされる。この問題への解決法として,大学院生などに研究援助者として従事してもらうことが求められる。すでに大学院生などから研究援助の同意を得ているため,実施に当たって研究についての詳細な説明や役割分担を行っている最中である。
2年目は研究の実施と共に,研究結果の公表も重要な作業となる。本研究の成果は,国内外の学会発表および学術論文の執筆に加えて,リーフレットおよび報告書を作成して当該分野と関連する全国の主要な当事者団体に送付する予定である。報告書の概要や印刷会社の選定,そして送付先の選定なども必要となる。このような公表に関する作業も研究援助者に協力を依頼しているところである。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

本年度は成人期のADHDに対する介入研究を実施するための研究協力者の募集,および介入研究の実施,そして研究協力者のスクリーニング時に調査研究を行った。当初の計画では1年目に研究協力者の募集とスクリーニングを実施し,2年目に介入研究を行う予定であった。しかし研究の実施にあたり,応募者は大半が自らADHDを疑いながら未診断の者であったためにスクリーニングによって陽性の疑いが強まると,早期に心理療法や薬物療法による支援を求める者がほとんどであった。これには研究期間中にADHD治療薬が成人にも適用が拡大されたことも大きな要因となっている。そのため,初年度からスクリーニングと介入研究を同時に実施せざるを得ない状況となり,多額の研究費が必要となるスクリーニングの実施回数が少なくなったためである。
1年目の活動によって研究協力者の応募,各種検査によるスクリーニング,そして介入研究の実施という一連の手続きの実施に当たっては,大きな問題はなく実施していくことが可能であることがわかった。2年目はより多数の研究協力者の応募が必要となる。この点に関しては,研究協力を依頼することが可能な患者会やNPO法人,あるいは医療機関を増やしている所である。そのため,2年目には多くの研究協力者の確保が可能となることが予想されており,当初の研究計画と同様の研究費が必要となる。

  • Research Products

    (6 results)

All 2014 2013

All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 4 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] 成人期のADHD患者の補償方略および気分状態と機能障害との関連2014

    • Author(s)
      金澤潤一郎・岡島 義・坂野雄二
    • Journal Title

      ストレスマネジメント研究

      Volume: 10 Pages: 印刷中

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 発達上の気がかりをもつ小学校低学年児童に対する集団社会的スキル訓練における成果と問題 その1 プログラムにおける工夫2014

    • Author(s)
      弘中由麻・成瀬麻夕・川辺ひかる・戸田愛貴子・門田竜乃輔・新川広樹・近藤清美・金澤潤一郎
    • Journal Title

      北海道医療大学心理科学部心理臨床・発達支援センター研究

      Volume: 10 Pages: 印刷中

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 発達上の気がかりをもつ小学校低学年児童に対する集団社会的スキル訓練における成果と問題 その2 集団社会的スキル訓練による効果2014

    • Author(s)
      近藤清美・堀内 聡・安藤孟梓・鈴木香奈美・金澤潤一郎
    • Journal Title

      北海道医療大学心理科学部心理臨床・発達支援センター研究

      Volume: 10 Pages: 印刷中

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 発達上の気がかりをもつ小学校低学年児童に対する集団社会的スキル訓練における成果と問題‐「友達遊び教室」の実践から‐ その3 標的行動における効果2014

    • Author(s)
      金澤潤一郎・土井理美・筒井明日香・近藤清美
    • Journal Title

      北海道医療大学心理科学部心理臨床・発達支援センター研究

      Volume: 10 Pages: 印刷中

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Impact of ADHD symptoms and mood states on functional impairments among adult ADHD patients, university students, and general adults.2014

    • Author(s)
      Kanazawa, J., & Sakano, Y.
    • Organizer
      The 2nd Asian Congress on ADHD
    • Place of Presentation
      Tokyo
    • Year and Date
      20140308-20140309
  • [Presentation] ADHD児の向社会性と問題行動に関連する母親の特性の検討2013

    • Author(s)
      金澤潤一郎・上河邉 力・館農幸恵・館農 勝
    • Organizer
      第54回日本児童青年精神医学会総会
    • Place of Presentation
      札幌
    • Year and Date
      20131010-20131012

URL: 

Published: 2015-05-28  

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