2014 Fiscal Year Research-status Report
BPDに対するDBTに基づくグループカウンセリングの効果
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25780429
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
井合 真海子 帝京平成大学, 臨床心理学研究科, 講師 (40613865)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 境界性パーソナリティ障害 / 弁証法的行動療法 / 認知行動療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】本研究では、境界性パーソナリティ障害(borderline personality disorder: BPD)の治療に有効であるとされる弁証法的行動療法(Dialectical Behavior Therapy: DBT)について、日本での治療実践の試みと、その治療効果を検討することを目的としている。DBTは、BPD患者適用のために高度にパッケージ化された、従来の認知行動療法(Cognitive Behavior Therapy: CBT)の発展型であり、BPDに対する治療効果のエビデンスが最も示されている治療法である(e.g.,遊佐、2012 )。しかし、本邦において、DBTの手法を用いた治療の効果に関する実証的な研究はほとんど見受けられない。 【研究方法】本研究においては、BPDの患者を対象として、DBTの手法を用いたグループセラピーと個人カウンセリングを行い、その治療効果を検討する。グループセラピーは、基本的に6ヶ月の治療パッケージで構成される。本研究では、グループセラピーの参加者に対して、査定面接とアンケート調査を行い、BPDの症状の改善の程度を測定する。そして、研究期間はグループセラピーを行わない待機群と比較し、グループセラピーの効果を検証する。 【研究成果】本研究は、2014年度からグループセラピーを開始して、現在継続中である。現時点でのグループセラピー参加者は計11名であり、2ヶ月毎にアンケート調査を実施している。なお、グループセラピーの定員に満たないため、現時点で待機群は設定していない。本研究では2016年1月までのデータを収集して、検証を行う予定である。 なお、本研究で実施しているグループセラピーの概要については、2015年1月発刊の雑誌「精神科治療学」第30巻1号において報告している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、グループセラピーの参加希望者が当初の予定よりも不足している。本研究では45名の研究協力者を予定していたが、現時点で研究協力者は11名である。研究協力者を増やすために、医療社団法人碧水会長谷川病院にフィールド提供を依頼中である。フィールド提供が承認されれば、当初の予定人数を達成できると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、グループセラピー参加者が当初の予定よりも不足しているため、本研究と同様の手続きでDBTの手法を取り入れたグループセラピーを実施している医療社団法人碧水会長谷川病院にアンケート調査のフィールド提供を依頼している。2015年6月よりデータ収集を行う予定である。本研究は、2016年1月末までデータ収集を行い、2016年2月にデータ分析を行って、グループセラピーの効果を検証することを計画している。 研究成果報告については、途中経過を第41回認知・行動療法学会で報告する予定である。また、DBTに関するシンポジウムを,同様に第41回認知・行動療法学会にて実施することを計画している。
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Causes of Carryover |
研究協力者が当初の予定よりも不足していたため、研究協力者に対する謝礼(人件費)が当初の予定額よりも下回った。また、データが不足していたため、成果発表を予定していた国際学会の発表を中止した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究のフィールドを増やすため、人件費および交通費等が当初の27年度の予定額よりも上回る予定である。また、2015年9月にイギリスにおいて実施される弁証法的行動療法のワークショップに出席予定であるため、出張費も当初の予定よりも上回ると考えられる。よって、次年度使用額は適正に使用されるといえる。
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