2013 Fiscal Year Research-status Report
学級共同体を基盤とした教育方法の基礎的研究―K.G.シャイベルトに光を当てる試み
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25780477
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
熊井 将太 山口大学, 教育学部, 講師 (30634381)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 教育方法 / 教育思想 |
Research Abstract |
本研究は、19世紀プロイセンの教育実践家・教育思想家であるシャイベルト(Karl Gottfried Scheibert)の学級共同体形成論の構造と特質を明らかにすることで、従来の教育史、教育思想史、教育方法史において看過されてきた「学級教育の忘れられた歴史」に光をあてること、およびそれを通じて、公共空間に参画する市民を育成するために、共同体としての学級が持つ教育力やその展開方法を考察するものである。 平成25年度においては、国内において文献を収集・講読するとともに、平成26年3月ドイツに渡航し、大学図書館等にて資料収集を行った。その成果として、19世紀半ばのドイツにおける有力雑誌『教育評論』の複写を行った。当該雑誌は、シャイベルトが編集に携わり、彼の長編連載論文が経済されたものであり、国内には蔵書されておらず、本研究課題にとって必要不可欠なものであった。この講読を通じて、これまで公刊されていた著作に描かれてこなかったシャイベルトの教育論が立ち現われてきた。具体的には、(1)彼の学級共同体形成論の理論的基盤にはヘルバルトの実践理念の批判的継承が強く表れていること、(2)その批判的形象には、『教育評論』編集の前任者であるマーガー(Karl Mager)の弁証法的教育論が影響を及ぼしていること、(3)学級共同体形成論の具体的方法として、「発問」による集団思考を重視していたこと、などである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に予定した文献の収集は順調に進んでおり、必要と予想される文献もおおむね手元に集まっている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、収集した文献の講読をすすめるとともに、それらをまとめ学会発表および論文化する作業をすすめていく。
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Research Products
(3 results)