2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25780478
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
吉田 茂孝 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (60462074)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 特別な教育的ニーズ / 指導方法 / 教材開発 / 学習集団 / つまずき / 特別ルール / ドイツ / インクルーシブ教授学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、最終年度にあたり、前年度に実施した国内外の研究者との意見交換や収集した文献に基づいた理論的な視点と、実践分析や現場の教師が参加する研究会での意見交換で得た実践的な視点とを交差させながら、学習集団への指導方法と教材開発について検討した。具体的には次のとおりである。1.学習集団への指導方法の視点として、(1)発達障害児への支援に見られる授業の「わかりやすさ」の追求や「つまずき」の未然防止といった指導方法の課題を整理し、参加のあり方や「つまずき」を生かした授業づくりを考察した。(2)「特別ルール」について検討し、民主的な異議申し立ての仕方や「ルール」を共同決定し、活動し、点検し、「ルール」を変革していく機会としての意義を明らかにした。(3)教科教育と教科外教育との関係から日常的に展開する集団づくりを通して学級内の現実の人間関係を捉え直し、関係を組み替えることを検討した。2.教材開発の視点として、(1)学習意欲を引き出す動機づけから、教材に対する魅力とともに、課題解決過程や作業過程において子どもたちに「実感」を与えることを検討した。(2)教材文化について、教えたい内容の背景にある文化的価値をふまえる必要性や、子どもたちの発達ニーズに応じた教材の可能性を考察した。(3)教材と教具の違いとその使い方から、教材と教具の概念を区別したうえで、今日注目されているICT教育や学習材についても言及した。なお、教材開発においても、他者や集団との関係から開発する視点を再確認した。3.ドイツのインクルーシブ教授学を巡る議論から、個別の学びと共通の学びの意義や、差異性における相似性を整理した。これらの成果報告については学会をはじめ、実践現場の教師が参加する研究会などで発表し、意見交換を行うことで実践的な視点もふまえることができた。
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Research Products
(7 results)