2013 Fiscal Year Research-status Report
三分岐型から二分岐型への中等学校制度再編に伴うドイツ教育評価制度の変容
Project/Area Number |
25780483
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
卜部 匡司 広島市立大学, 国際学部, 准教授 (30452600)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ドイツ / 教育評価 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ドイツの中等学校制度が三分岐型から二分岐型へと再編されるに伴い、教育評価制度がどのように変容しているのか、その変容過程を構造的、実証的に解明することである。本年度は、本研究に関連する文献、政策文書、報告書を幅広く収集した。とりわけ、ラインラント・プファルツ州、バイエルン州、ベルリン市では教育省の行政担当官および各中等学校の協力により、第一次資料が入手できたと同時に改革の実相について聞き取り調査が実施できた。 本年度において重点的に調査したラインラント・プファルツ州では、2009年より基幹学校が廃止され、それを旧来の実科学校に統合した新制実科学校に再編され、二分岐型の中等学校制度に移行した。しかし、新制実科学校の内側で依然として旧来の基幹学校と実科学校の区分が残っており、修了資格もそのまま維持されていた。この州では、これまで基幹学校の修了資格しか取得できなかった生徒たちに、できるだけ実科学校レベルの修了資格を取得してもらいたいという意図で改革が進められた。ところが、改革を始めて数年が経過してみると、学校によっては、むしろ逆の現象も生じていることが判明した。すなわち、従来であれば実科学校レベルの修了資格を取得できていたような生徒たちが基幹学校の修了資格に甘んじているケースも散見されるようになったのである。 これらの文献、政策文書、報告書のレビューならびに現地調査から、現在のドイツでは三分岐型から二分岐型へと制度のレベルでは再編されている一方で、児童生徒の成績評価やそれに伴う修了資格制度の改革は、依然として極めて限定的なものであることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、本研究に関わる新たな文献や資料が収集でき、また現地調査により文献や資料では知りえない情報を入手することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は当初の計画に沿って、ラインラント・プファルツ州の事例と対照させながら、特にバイエルン州の事例に焦点を当ててさらに研究を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年度は、文献資料収集のため、当初は購入費用として準備していた文献資料を無償で譲り受けたこともあり、その分の予算を来年度の文献資料購入費として充てたいと考えている。 昨年度からの繰り越し金は、文献資料購入費として充てたいと考えている。
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