2013 Fiscal Year Research-status Report
学際的教育研究の可能性と課題:分析哲学の理性と規範に関する知見をベースとして
Project/Area Number |
25780485
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tokyo University of Social Welfare |
Principal Investigator |
三澤 紘一郎 東京福祉大学, 教育学部, 助教 (20636170)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 理性 / 規範性 / 教育哲学 / 人間存在の社会性 / ジョン・マクダウェル / デイヴィド・バクハースト / 哲学研究と実証研究 / 学際的アプローチ |
Research Abstract |
平成25年度は、教育研究における哲学の役割を明確化するにあたって、教育哲学の(1)他の教育諸学問との関係、(2)(純)哲学との関係を歴史的・概念的に研究した。 関係論文2本を上梓し、2本を現在投稿中である。また、国内外での研究発表を計3度行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究は、当初の予定よりも前倒しで研究が進んでいる。その大きな理由の一つは、平成25年6月に、本研究全体のプロジェクトと大きく重なるテーマを扱ったベルギーでの国際学会(テーマ:“Reviewed? Renewed? Revisited! Past, Present, and Future of Philosophy and History of Educational Research”)に参加し、発表する機会を得たことである。このテーマは、当初の計画においては2年目に中心的に取り組む予定であったが、初年度の早い時期にこのテーマを深く考察する機会に恵まれたため、今後の予定の全体像がより鮮明になった状態で以降の研究を進めることができた。その成果の一つが、8月に行われた第72回日本教育学会における発表である。 また、一年目に重点を置いて取り組むテーマとして設定した「理由の空間」と「第二の自然」という概念についての研究も、その分野での議論をリードするDavid Bakhurst氏をカナダのクイーンズ大学に訪れ(平成26年3月)、議論を交わすことで大きく進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、前年度の終盤から集中的に取り組んでいる、「理由の空間」と「第二の自然」という概念をめぐる膨大かつ詳細な先行研究を整理し発展させることで、「理性」と「規範性」というより大きなテーマに関する哲学的なアプローチの道筋を明らかにすることを目指す。 研究協力者であるBakhusrt氏と前年度の3月に直接面会し、本研究についての非常に有益なアドヴァイスを得たので、本年度の前半はそれに基づき研究を進めていく。本年度の後半には、もう一人の研究協力者であるJan Derry氏とも本研究のテーマについて集中的に議論をする期間を設ける予定である(平成27年3月にオックスフォード(英国)で行われるPhilosophy of Education Society of Great Britainの学会の前後にその期間を設定する予定である)。 平成26年度の参加予定学会は以下の通りである:教育哲学会、教育思想史学会、日本倫理学会、Philosophy of Education Society(米国)、Philosophy of Education Society of Great Britain(英国)。 投稿論文は、Journal of Philosophy of Education, Educational Theory, Cosmos and History: The Journal of Natural and Social Philosophy に投稿予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
残額(778円)で購入することのできる、必要物品が存在しないため。 当該残額高を次年度へ回すことによって、必要な物品を購入する補助とする。
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