2014 Fiscal Year Research-status Report
アメリカ中等後教育改善基金における政府間関係の形成と展開に関する研究
Project/Area Number |
25780499
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Research Institution | Kansai University of International Studies |
Principal Investigator |
吉田 武大 関西国際大学, 教育学部, 准教授 (70512846)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アメリカ連邦政府 / 中等後教育改善基金 / 財政援助 / 政府間関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、アメリカ連邦政府の一組織である中等後教育改善基金(以下、FIPSE)を対象として、FIPSEが財政援助の際にどのような役割を州政府との関係において果たしていたのか、その意義と限界を明らかにすることを目的としている。具体的には、政府間関係に関する規定の運用されていた時期にFIPSEが果たしていた役割を検討し、規定が削除された後には、法令上の政府間関係が直ちに消滅したのか、あるいはインフォーマルな関係に変容して存続しているのかについての分析を行うことを目的としている。 このうち、平成26年度は、FIPSEによる財政援助の際、なぜ州政府が関係したのかを明らかにするために、FIPSEと州政府との政府間関係がどのような経緯の下で規定されたのかという平成25年度の作業課題を成果としてまとめること、また、FIPSEと州政府との政府間関係に関する規定が1972年教育改正法の成立後、どのように運用され、展開していったのかに関する資料を収集することを作業課題として設定した。 前者については、1972年教育改正法において、当初からFIPSEをめぐる政府間関係が明確な意図を以て規定されたわけではなく、政府間関係に関する他の規定との整合性を図るために規定されたことを明らかにした。 後者については、連邦議会の議事録や連邦議会のヒアリング記録、上院下院の報告書などといった関係諸資料の収集活動を行った。また、FIPSEプログラム担当官のフランク・フランクフォート氏やフレデリック・ウィンター氏に対する聞き取り調査も実施した。これらの収集活動および聞き取り調査を通じて、1972年教育改正法制定以後の連邦政府と州政府との関係がどのように運用および展開されていったのかを整理した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年度に設定した作業課題は研究成果としてまとめることができた。また、平成26年度に予定していた、FIPSEと州政府との政府間関係の展開過程に関する資料収集について、一定程度の資料を収集することはできた。ただ、これらの資料だけでは展開過程を描き出す上で十全とは言いがたい。加えて、展開過程を論文など一定の成果としてまとめるに至っていない。このことを踏まえ、当初の計画からはやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度に十分に達成できなかった課題を進めていくために、これまでに注目していなかった周辺分野の資料にも対象を広げて収集活動を行い、収集した資料を分析した上で、一定の成果として論文等にまとめていく予定である。
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Causes of Carryover |
連邦議会議事録等や周辺分野の資料といった関連資料の収集が十分ではなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
関連資料の収集に係る経費、つまり、文献複写費や資料購入費に使用する予定である。
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