初期ならびに中期キャリアにおける大学教員の能力形成過程に関する質的研究

2014 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 25780506
• Research Institution: National Institute for Educational Policy Research
• Principal Investigator: 立石 慎治 国立教育政策研究所, 生徒指導・進路指導研究センター, 研究員 (00598534)
• Project Period (FY): 2013-04-01 – 2017-03-31
• Keywords: 大学教員 / キャリアパス / ライフヒストリーグラフ

Outline of Annual Research Achievements

平成26年度には，関東圏及び中国地方に所在する大学に在籍している大学教員を対象に，ライフヒストリーグラフを援用したインタビュー調査を実施した．
今年度の研究活動の意義は，従来，公的統計などで外形的なキャリアパスが把握されるにとどまっていたり，大規模アンケート調査などによる一時点の個人の認識の把握にとどまっていたりした大学教員のキャリアパス研究に関して，個々人のキャリアを実際に追いながらデータを収集している点と，ライフヒストリーグラフといった質的手法の援用についての可能性を検討しうる点にある．
インタビューを重ねていく過程で，専門分野や性別等が共通していない調査協力者の語りのなかから，質的に類似するエピソードが得られつつあり，能力形成過程の類型化につながるデータが蓄積されつつある．
また，当初想定していなかった成果として，キャリアパス研究のためのツールとしての有効性もさることながら，省察を促す能力開発支援ツールとしての有効性の検討も課題として浮かぶという成果を得ている．

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

インタビューは実施してきているが，代表者の異動によりスノーボール・サンプリングに切り替えたことからくる影響で，ケース数が当初想定よりも少なく，類型化等を行う上ではインタビューへの協力者をより多く募ることが望まれる．

Strategy for Future Research Activity

現在有しているデータに基づく類型化の作成と，それらの類型に基づいて追加のインタビューを実施する．

Causes of Carryover

代表者の異動により，当初想定していた東北地方でのインタビュー実施から関東圏を中心としたインタビュー実施に切り替えたため，協力者を募る方法をスノーボール・サンプリングに変更した．そのため，当初の想定よりインタビュー協力者数が下回っており，次年度使用額が生じている．

Expenditure Plan for Carryover Budget

引き続き協力者を募ると共に，協力者を募るエリアを関東圏以外にも広げていくことを検討する．