2013 Fiscal Year Research-status Report
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25780519
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | 山口福祉文化大学 |
Principal Investigator |
西本 佳代 至誠館大学, 社会福祉学部, 講師 (20536768)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 児童養護施設 / 大学進学 / 質問紙調査 / インタビュー調査 |
Research Abstract |
児童養護施設への入所経験のある者のうち、大学等の高等教育機関に進学する者は約1割である。経済的問題や学力的問題をクリアし、大学に進学した者たちは、望ましい成長を遂げた者として捉えられており、これまで研究の対象とされることはほとんどなかった。しかし、彼らもまた経済的、精神的困難を抱え、支援を必要としている。そこで、本研究では、大学に進学した児童養護施設入所経験者の実態を明らかにすることを目的に、彼らを対象とした質問紙調査とインタビュー調査を計画した。平成25年度は、児童養護施設入所経験者を積極的に受け入れている私立A大学にて、児童養護施設入所経験者を対象とした質問紙調査を実施し、36名から回答を得ることができた。また、比較検討のため私立A大学に通う一般家庭出身の学生、私立A大学と同県に所在する同程度の偏差値の私立B大学の学生、国立C大学の学生に対しても質問紙調査を実施し、回答を得ることができた。インタビュー調査については、私立A大学に通う児童養護施設入所経験者13名から大学生活の様子を聞くことができた。平成25年度中に、これらの調査結果の一部について検討を行い、そこからは以下の点が明らかになった。①他のボーダーフリー大学に通う学生と比べると、私立A大学に進学した児童養護施設入所経験者は授業外の学習時間が長く、高校時代の自分の成績がよかったと位置づける傾向にある。②私立A大学に進学した児童養護施設入所経験者の多くは、高校の時に施設職員の紹介によって進学を決めていた。③私立A大学に進学した児童養護施設入所経験者の約8割は、私立A大学を選んだ理由として、奨学金制度が充実している点を挙げていた。平成26年度については、引き続き、調査結果の分析を行うと共に、そこから得られた知見を学会等を通して報告する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は、大学に進学した児童養護施設入所経験者を対象とした質問紙調査とインタビュー調査の計画・実施を予定していた。質問紙調査については、計画通り、児童養護施設入所経験者を積極的に受け入れている私立A大学、私立A大学と同県に所在する同程度の偏差値の私立B大学、国立C大学の3大学にて実施することができた。また、インタビュー調査については、当初予定していた20名には達しなかったものの、大学に進学した児童養護施設入所経験者13名から話を聞くことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、平成25年度に実施した質問紙調査、インタビュー調査の結果について分析を行い、その内容を学会等にて報告する予定である。また、大学に進学した児童養護施設入所経験者に対する支援の在り方を総合的に考察し、報告書等にまとめる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
インタビュー対象者の都合がつかず、当初予定していた数のインタビュー調査を平成25年度中に実施することができなかった。そのため、平成25年度の旅費と人件費・謝金の使用額が予定より少なくなっている。 平成25年度中に予定していたインタビュー調査を平成26年度のできるだけ早い時期に実施する。そのインタビューに必要な旅費、謝金及びインタビューの文字起こしの費用として平成25年度に使用できなかった助成金を使用する計画である。
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Research Products
(1 results)