2013 Fiscal Year Research-status Report
オーラル・ヒストリー(聞き書き)を用いた教育実践に関する国際比較研究
Project/Area Number |
25780522
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
藤井 大亮 筑波大学, 人間系, 特任助教 (60638807)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 国際情報交換 / アメリカ合衆国 / オーラル・ヒストリー / 聞き書き |
Research Abstract |
本研究の目的は、オーラル・ヒストリー(聞き書き)を用いた国内外の教育実践について横断的に調査し、それぞれの教育実践の共通性や特殊性を国際比較によって明らかにすることである。具体的には、①アメリカ合衆国ジョージア州の公立学校レイバン・カウンティ高校およびNPO法人Foxfire Fund, Inc.によって取り組まれているフォックスファイヤープロジェクト、②NPO法人共存の森ネットワークが主催する「聞き書き甲子園」、③筑波大学附属茶華道高等学校の科目「環境調査」で行われている聞き書きの授業、これら3つの学校・組織で行われているオーラル・ヒストリー(聞き書き)を調査・研究の対象とした。 平成25年度は、上記①のアメリカ合衆国ジョージア州の公立学校レイバン・カウンティ高校およびNPO法人Foxfire Fund, Inc.のフォックスファイヤープロジェクトについての現地調査、および文献研究を中心に研究を遂行した。 現地調査に関しては、6月22日から7月30までアメリカ合衆国ジョージア州レイバン郡に滞在した。NPO法人Foxfire Fund, Inc.を訪問し、関係者への聞き取り調査や関係者との意見交換を実施した。また、滞在中はFoxfire Fund, Inc.が主催するワークショップに参加した。これにより、フォックスファイヤープロジェクトの背後にある教育思想や教育論についての理解を深め、疑問点についてはワークショップのファシリテーターに直接確認することができた。 文献研究については、オーラル・ヒストリー(聞き書き)の理論について、またそれを教育に活かした事例について、国内外の資料を収集し、検討した。その中には、上述の現地調査により収集した、日本国内では入手できない資料も含まれている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は平成25年度から平成27年度までの3か年にわたり、①アメリカ合衆国ジョージア州の公立学校レイバン・カウンティ高校およびNPO法人Foxfire Fund, Inc.によって取り組まれているフォックスファイヤープロジェクト、②NPO法人共存の森ネットワークが主催する「聞き書き甲子園」、③筑波大学附属坂戸高等学校の科目「環境調査」で行われている聞き書きの授業、という3つの学校・組織のオーラル・ヒストリー(聞き書き)を用いた教育実践について明らかにするものである。平成25年度には①を、平成26年度には②および③について調査し、平成27年度で調査結果の総合的考察を行う計画である。 平成25年度は、研究実施計画に挙げた①の調査研究をおおむね達成することができた。また文献研究に関しては、②と③に関するものも収集し、分析を進めることができたた。以上から、おおむね順調に進展しているとした。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進方策については、研究実施計画どおり、平成26年度は国内のオーラル・ヒストリー(聞き書き)を用いた教育実践を中心に調査を進める。平成27年度は平成25年度と平成26年度に実施した調査の結果をふまえ、総合的な考察を行い、研究成果としてまとめる。 平成26年度以降も、引き続きアメリカ合衆国の研究者・教育者との連絡を密にし、随時意見交換を行うなどし、オーラル・ヒストリー(聞き書き)を用いた国内外の教育実践の共通性や特殊性の解明につなげる。
|