2016 Fiscal Year Annual Research Report
A comparative study of United States and Japanese oral history education
Project/Area Number |
25780522
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
藤井 大亮 東海大学, 課程資格教育センター, 講師 (60638807)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | オーラル・ヒストリー / 聞き書き / フォックスファイヤー・プロジェクト / 聞き書き甲子園 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、オーラル・ヒストリー(聞き書き)を用いた国内外の教育実践について横断的に調査し、それぞれの教育実践の共通性や特殊性を国際比較によって明らかにすることである。具体的には、①アメリカ合衆国ジョージア州の公立学校レイバン・カウンティ高等学校およびNPO法人Foxfire Fund, Inc.によって取り組まれているフォックスファイヤー・プロジェクト、②NPO法人共存の森ネットワークが主催する「聞き書き甲子園」、③筑波大学附属坂戸高等学校の科目「環境調査」で行われている聞き書きの授業、これら3つの学校・組織で行われているオーラル・ヒストリー(聞き書き)を調査・研究の対象とした。 現地調査および文献研究の結果、三者の影響関係や同異を明らかにした。すなわち、②「聞き書き甲子園」は、 ①フォックスファイヤー・プロジェクトの影響を受けて成立していた。しかし、両者は、オーラル・ヒストリー(聞き書き)の対象と方法において、相違点が見られた。③「環境調査」は、②「聞き書き甲子園」に影響を受け、その内容を参考にしていた。実際、オーラル・ヒストリー(聞き書き)の対象と方法については、①フォックスファイヤー・プロジェクトよりも、②「 聞き書き甲子園」との共通点が多かった。 ①フォックスファイヤー・プロジェクトと③「環境調査」は、グループワークを多用していること、教師がファシリテーターとして学習者を手厚くサポートしていることなど、教育方法に共通点が見られた。その一方で、②「聞き書き甲子園」と③「環境調査」はいずれも、①フォックスファイヤー・プロジェクトの一番の特徴でもあり、精神でもある「学習者の選択」(Learner choice)という原理を体現していないことも明らかになった。
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