2014 Fiscal Year Research-status Report
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25780523
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
艮 香織 宇都宮大学, 教育学部, 准教授 (10459224)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 性教育 / 家庭科教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、戦後の家庭科教育において、選択性や多様性を含む学びへと発展していったのかという点と、家庭科教員はどのように位置付けてきたか/いるかについて現状と課題を整理することを目的とした。なお1年次のプレ調査をもとに、家庭科の内容が大きく変わったとされる戦後直後、高度経済成長期、家庭科の男女共修前後の時期にわけることとした。 ◆家庭科教員への聴き書き調査:主に退職した家庭科教育を主な対象とした聴き書き調査を実施した。戦後から近年にかけて家庭科教育がライフスタイルを考え行動する上でどのような教科として位置づいてきたか/いるかを質問項目として設定した。現在、分析作業中である。聴き書き調査結果と戦後の家庭科から一部結果(セクシュアリティに関わる内容)をふまえ、教員を対象の書籍において紹介している。 ◆基礎資料の収集:また分析する上での基礎資料として、戦後の家庭科教科書ならびに指導書と、当時、もとめられていた人間像(特に女性像)やライフスタイルに関する資料を収集した。 ◆韓国調査の実施:韓国調査を実施し、教員等との情報交換を行うとともに、中高等学校の家庭科教科書等の収集、翻訳作業、分析を進めている。分析にあたり、韓国における福祉と家族、教育制度の現状と課題に関する資料を収集した。 ◆授業分析:授業分析については、協力校の選出を行い、分析手法をディスコース分析とし、最終年度の参観及び分析に向けた作業を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
聴き書き調査が複数にわたった点や海外調査の実施時期との関わりから、調査結果の分析にまでいたらなかった点、また授業分析については対象校の選出のみに留まることとなった。最終年度にこれらの作業と結果の還元を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は昨年度実施予定だった授業分析と聴き書き調査の継続、分析に焦点化して作業を進める予定である。また韓国、台湾調査は家庭科(または日本の家庭科に関連する内容、とりわけライフスタイルに関わる内容を含む教科内容を担当する教員)を対象とした聴き書き調査を実施する予定である。これらを前半期に終了し、後半は分析および学会誌等への報告を計画している。
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Causes of Carryover |
聴き書き調査の対象が高齢であり、日程を分ける必要が生じたことと、韓国調査の実施記事が調査先の予定との関係で年度末になったことにより、調査計画全体に遅れが生じた。それでも計画通りに進めることは可能ではあったが、研究分析を丁寧に進めていく必要性を感じたことから次年度使用額が生じることとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度前期から夏にかけて韓国、台湾調査を計画することとした。また前年度の課題についても前期期間中に遂行できるよう手配している。
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Research Products
(6 results)