2015 Fiscal Year Research-status Report
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25780523
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
艮 香織 宇都宮大学, 教育学部, 准教授 (10459224)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 家庭科教育 / 性教育 / 人権教育 / ジェンダー |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、①国内における資料収集と、②教員への聞き書き調査を実施した。昨年度の研究結果を踏まえ、③韓国と台湾の関連教材を収集し、分析作業中である。 ①は戦後の教科書ならびに指導書、検定意見結果等を収集し、家庭科における家族、性の記述の変遷を通して、人権がどのように位置づけられてきたか/いるかについて、分析作業中である。家庭科はライフプランニングに関わる内容を多く含む教科であり、また分析においても同時代の史料分析と合わせて作業を進める必要がある。とりわけ1970-80年代の社会背景を明らかにするために、労働、結婚に関わる一次資料、史料、関連文献を収集している。また人権や性に関わる内容は保健、社会の内容の変遷と併せて行う必要性があることが明らかとなったことから、関連教科の戦後史を(内容項目、教科書内容を中心として)整理する作業を新たに加え、進めている。なお、一部結果については来年度、学術雑誌(Sex education)に投稿予定である(すでにエントリー済み)。 ②教員への聞き書き調査は主に関東を中心として継続して行っている。①と対応させる形で戦後の家庭科教育に関わった教員がどのように性や人権を位置づけてきたかについて分析作業中である(とりわけ民間団体や人権擁護の活動に関わっていた個人を対象としている)。 ③は①②の分析を深め、さらに東アジア全体の共通性を整理するために行っているが、一部、台湾調査で予定をしていた教員へのインタビュー調査ならびに大学生を対象とした量的調査は次年度に変更とした。すでに教科書の収集は終えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
自然災害と現地調査協力者の事情によって、昨年に引き続き、調査予定が大幅な遅れとなった。次年度に計画を練り直し、調査、分析を継続する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
海外調査を含む場合は、現地協力者は必須であるが、諸事情(災害等)により変更せざるを得ない場合がある。その場合も見越して、幅広いネットワークの構築が必須であると思われる。
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Causes of Carryover |
前年度の計画が本年度実施となったことによる内容の変更と、自然災害による現地協力者の諸事情による。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
年度内の海外調査(台湾、韓国)と、関連学会における報告を予定している。また国内調査の分析作業を継続して行う。
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Research Products
(5 results)