2017 Fiscal Year Annual Research Report
Study for making standard of embossed dotted graphics for braille users
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25780539
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
森 まゆ 筑波大学, 人間系, 助教 (20634893)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 点図 / 視覚障害 / 点間隔 / 角度 |
Outline of Annual Research Achievements |
分岐数と角度による識別の困難が解消されるような点間隔及び触察(触り方)の方略の検討を目的とし、分岐の数および点間隔を変化させた実験結果の分析を行った。対数変換した所要時間について、角度(8水準)及び分岐数(2水準)の2要因参加者内計画の分散分析を行った。角度の水準別に分岐の単純主効果を検定したところ、20度、30度、40度、50度、60度、70度、80度の水準においては有意であった。また分岐の水準別に角度の単純主効果を検定したところ、2分岐、3分岐の両水準において有意であり、多重比較の結果2分岐においては10度の平均所要時間が20度~80度の水準よりも有意に長かった。3分岐においては、10度及び80度の平均所要時間は20度~70度より有意に長かった、さらに、2分岐の刺激(2線の比較)においては主に片手で触察して進んでいるが、3分岐で3線の比較では両手を使って触察する方略が使われる傾向にあった。 3分岐の方が2分岐課題より有意に所要時間が長かったことから、3分岐は2分岐よりも読みとりに時間がかかることが定量的に確認され、触察の方略からも裏付けられた。比較する本数が増えれば読み取りに時間がかかるという結果から、先行研究(森・小林・青松,2013)や点字教科書編集資料(文部科学省,2015)において指摘されている、点図に含まれる線の種類数への配慮を支持することができると考える。 また、線どうしが分岐する角度は、2分岐では10度、3分岐では10度と80度が、他の角度よりも読みとりにくいこと、20度~70度の間の角度は読みとりやすさに差はないことが示された。したがって、図を作成する際に10度・80度の交差が含まれる場合は、角度以外の変化をつけて読みとりやすくするような対応が求められることが明らかとなった。
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