2016 Fiscal Year Research-status Report
自閉症スペクトラム児の心の理論獲得のための視線の制御を用いた支援手法の開発
Project/Area Number |
25780540
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
宮寺 千恵 千葉大学, 教育学部, 准教授 (90436262)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 自閉症スペクトラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、自閉症スペクトラム(以下、ASD)における心の理論メカニズムについて、視線の動きを用いた基礎的実験により解明を行うこと、基礎的な知見から、ASD児者に対する支援手法を開発することを目的としている。一昨年度までは、ASD児童への支援の方法を検討すると共に、ASD児の家族に焦点を当てて研究を行った。前者のASD児個人を対象とした研究では、ASD児1名を対象として、心の理論課題等を用いながら、本児童の変化が会話に及ぼす影響について検討を行った。後者の研究では、知的障害特別支援学校の教員を対象として、ASD児の家族支援の在り方についてアンケート調査を実施した。この研究成果については、古川・宮寺(2015)として発表されている。 当該年度(28年度)は29年度以降に行う研究の実施計画を見直すと共に、知的障害のある生徒(知的障害特別支援学校中学部または高等部に在籍)や定型発達児童を対象として単語の対連合学習課題を実施し、言語の学習過程に及ぼすワーキングメモリの働きについて研究を進めた。現時点では、知的障害のある生徒の遂行成績はIQと関連が認めれらないこと、小学1年生に相当する成績であることが示された。また、発達障害児に対する特別支援教育の在り方を検討するために、視覚情報の処理に大きな困難を示す22q11.2欠失症候群に焦点を当てた。当該年度においては、22q11.2欠失症候群の児童で見られる算数困難の症状を整理し、支援手法についての提案を論文にまとめた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度は1年間、育児休業を取得しており、研究を遂行できていないため。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は自閉症スペクトラム児を対象として、心の理論課題と模倣遂行の有無の関連を検証すると共に、社会性を高められるようなトレーニング方法を検討する。
|
Causes of Carryover |
育児休業の取得により未使用額が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度より、研究再開による研究実施の手伝いならびに参加の謝金、学会発表等の旅費等の支払いに使用する予定である。
|
Research Products
(1 results)