2015 Fiscal Year Research-status Report
第一原理計算による強誘電体ナノ界面の巨大ラシュバ系探索とスピン流の起源解明
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25790007
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
石井 史之 金沢大学, 数物科学系, 准教授 (20432122)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ラシュバ効果 / 強誘電体 / ナノ界面 / スピン流 / スピン軌道相互作用 / 酸化物 / 表面 / グラフェン |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は強誘電体薄膜, ナノ界面系のラシュバ効果を解析するために、ハイブリッドワニア関数の計算プログラムの開発をおこなった。このプログラムを用いて薄膜・界面系の層電気分極の解析をおこなった。これによってラシュバ係数の微視的な起源が明らかになった。これまでは点電荷モデルによって層分極の評価をおこなっていたが、ハイブリッドワニア関数を用いることで、量子力学に基づいた精度の高い層分極の計算が可能になり、電子分極・内部電場の正しい評価が可能になった。ハイブリッドワニア関数の手法はトポロジカル絶縁体におけるZ2不変量の計算, 異常量子ホール絶縁体(Chern絶縁体)におけるChern数の評価にも用いることが可能であり, それらについても応用計算をおこなった。研究成果の発表は, 主なものとして, 査読付き論文3報, 学会発表23件(招待講演3件, 国際学会13件)をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
グラフェン/強誘電体酸化物のナノ界面形成を想定した計算モデルにおいて、界面内の格子定数不整合により、想定していた計算規模よりも大規模な系を扱う必要性が生じ、その追加計算を実施するために研究期間を延長する。
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Strategy for Future Research Activity |
強誘電体とグラフェンの接合についての計算において、格子定数不整合の扱いで問題が生じた。さらに大規模な系の計算をおこなう。具体的には、仮定するユニットセルの格子定数について、少ない原子数になる様に近似をおこなうが、近似の精度、ラシュバ係数の収束性を確かめるために系統的な計算をおこなう。また、応力の計算もおこない、界面構造の安定性について明らかにする。
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Causes of Carryover |
研究が遅れているグラフェン/強誘電体の界面の研究に関する成果発表ができなかったことに加え、その他の成果について学内業務等で予定していた国際会議での発表できなかったため、残額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度の国内会議、国際会議での成果発表の旅費、論文オープンアクセス代金等に使用する。
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Research Products
(27 results)