2014 Fiscal Year Annual Research Report
グラフェン/超伝導金属接合の強磁場下に於ける輸送現象の研究
Project/Area Number |
25790010
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
津村 公平 東京理科大学, 理学部, 助教 (70583251)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | グラフェン / 超伝導近接効果 / 量子ホール効果 / 光照射効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、(1)NbN/グラフェン間のコンタクト形成技術開発を進めつつ、(2)極低温・強磁場中での輸送測定を行った。また(3)輸送特性の光応答による超伝導状態のプローブ可能性を検証した。 (1)NbN成膜条件調整とコンタクト形成条件出し:昨年度に明らかとなった条件にてNbNを多数成膜し、一定の特性を有するNbN成膜が可能であることを確認した。またNbN成膜条件の変更に合わせて、コンタクト形成条件出しを進めた。当初予定のPd層無しのTi/NbN構造で良好なコンタクト形成を実現した。 (2)量子ホール・超伝導状態混在系の輸送測定:T ~ 300mK、B = 0 ~ 7TでNbN/グラフェン/NbN接合の輸送測定を行った。B = 4T以上では明瞭にLandau準位(LL)が見られ、B = 7TでもNbNは超伝導状態を保つことを確認した。B = 7Tでの微分抵抗-バイアス電圧(dV/dI-V)特性のゲート電圧変化から、量子ホール状態中に誘起された超伝導状態はLL占有数に応じて変化することが観測された。特にn=0のLL (LL0)近傍では、Andreev反射確率の顕著な増大が見られた。今後は、特にLL0近傍のdV/dI-V特性データ解析を進め、グラフェン固有の量子ホール・超伝導状態混在系の一端を解明できると期待している。 (3)超伝導輸送の光応答:波長1.31umのCW光照射下でAl/グラフェン/Al接合の輸送測定を行った。同接合の超伝導臨界電流値の光照射パワー特性から、光照射によってグラフェン中に生成された非平衡定常状態とその緩和過程が光応答をもたらすことを明らかにした。本成果は、量子ポイントコンタクトを有する超伝導接合に対して適当な光照射波長・ゲート電圧下での輸送測定を行えば、LL中の超伝導状態を光照射に対する輸送特性変化でプローブ可能であることを示している。
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Research Products
(7 results)