2013 Fiscal Year Research-status Report
究極的集光スポットを実現する超解像レーザービームの発生
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25790062
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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| Research Institution | Tohoku University |
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Principal Investigator |
小澤 祐市 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (90509126)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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| Keywords | レーザー / 高次横モード / 偏光 |
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| Research Abstract |
本研究では，ビーム横断面において放射状の偏光状態を持ち，かつ空間強度分布が幅の狭いリング状となるようなリング状径偏光ビームをレーザー共振器から直接発生させると共に，その微小集光スポット特性について実験的に明らかにすることを目的とする．
本年度は，c-cut Nd:YVO4結晶をレーザー媒質とするレーザー共振器において，平面および凹面ミラーを用いた半球面系共振器を構築し，その共振器長が凹面ミラーの曲率半径程度まで伸ばした安定限界長付近において，単一リング状の径偏光ビームが得られることを見出した．発生したビームの横断面強度分布および伝搬特性の測定から，本研究で得られたビームが最低次のベクトルベッセルガウスビームであることがわかった．本共振器から発生したベクトルベッセルガウスビームは，共振器ミラーの微調整によって最低次から5次程度の高次横モードが得られることもわかった．ベクトルベッセルガウスビームは，従来には特殊な光学素子を挿入したレーザー共振器からのみ発生が報告されており，本研究のような非常に単純な共振器系での発生の報告は皆無である．その詳細な発生機構の解明と横モード制御に関しては今後のさらなる検討が必要であるが，リング状の径偏光ビームを得るための簡便な手法として極めて有効であることが考えられる．さらに，c-cut Nd:YVO4およびc-cut Nd:GdVO4端面励起型レーザー共振器に対してリング状の強度分布を有する励起光で直接レーザー結晶を励起する場合には，より高次のベクトルベッセルガウスビームが得られることを示し，その発振特性について詳細に検証した．
また，このような特異な強度分布を有するベクトルビームの集光特性を実証するために，レーザー顕微鏡をベースとした実験光学系の構築についても進めるとともに，ベクトルビームを用いたイメージング実験も開始している．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画では，初年度においてリング状の純粋な径偏光ビームを発生するレーザー共振器の開発を主目的としていた．当初の予定では，リング状にレーザー結晶を励起するとともに，径偏光のみを反射する特殊なフォトニック結晶ミラーを共振器ミラーとして用いたレーザー共振器を想定していた．しかしながら，複屈折性を有するc-cut Nd:YVO4結晶を用いることで，より単純な構成のレーザー共振器において，純粋なリング状径偏光ビームが得られることが明らかとなり，当初の目的を達成する十分な成果を得ることができたといえる．
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| Strategy for Future Research Activity |
次年度では，リング状径偏光ビームを強く集光した場合に焦点に形成される微小集光スポット特性（光ニードル特性）や，耐収差性，自己治癒効果などを実験的に検証することを目的としている．強く集光した焦点における強度分布を計測するための実験系については既に構築を進めている．微小散乱体や蛍光粒子などをピエゾステージにより3次元的に走査し，その各点における散乱（蛍光）信号の計測に基づいて，上記のベクトルビームにおける特異な集光特性の実験な検証を進める予定である．
また，当初計画にあったリング状強度分布励起におけるベクトルビーム発生についても継続して実験を進める予定であり，レーザー共振器における横モード形成および偏光選択機構に関して研究期間内に明らかにしたい．
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は今年度の研究計画を効率的に推進したことにより発生した未使用額であり，平成26年度請求額とあわせて平成26年度における研究の遂行に使用する予定である．
前年度未使用額については本年度研究遂行において必要となる物品費などに含めて使用する予定である．
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Research Products
(5 results)
