2014 Fiscal Year Annual Research Report
円錐鏡を用いた空間モード多重化通信用高次ヘリカルビームの生成
Project/Area Number |
25790068
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
小林 弘和 高知工科大学, 工学部, 講師 (60622446)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 光制御 / 波面制御 / 光渦 / 空間モード多重化通信 / 円錐鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
空間的な位相がらせん形状となるヘリカルビームは、同一の周波数帯域を用いて通信を多重化する「空間モード多重化通信」への応用が期待されている。本研究の目的は、ヘリカルビームの生成とそのモード変換を円錐型の鏡で行なう新たな手法の提案と実験的な検証である。提案する光学システムは鏡面反射のみを利用するため広い波長域での動作が可能となる。さらに構造も非常にシンプルであるため、安価に製造可能であり、システム全体の小型化も可能であるため、空間モード多重化通信への応用を支える基盤技術となりうる。 本研究ではまず円錐鏡に多重反射させることで高次のヘリカルビームの生成を試みた。532nmのパルス光を円錐鏡に入射し、反射光が再び円錐鏡に入射するように部分反射鏡を設置した。円錐鏡で多重反射した光と通常の鏡で反射した光を時間的にずらしながら干渉させることにより、右回りと左回りの二重らせんおよび四重らせんの干渉縞を観測することに成功した。この結果から、円錐鏡に多重反射させることで、二重らせんのヘリカルビームだけではなく、四重らせんなどの高次のヘリカルビームを生成することが可能となることがわかった。最終年度では440nm、532nm、633nmの通常の光ビームを円錐鏡に入射して、その反射光を通常の光ビームと干渉させることにより、すべての波長で右回りと左回りの二重らせんの干渉縞を確認した。この結果は円錐鏡での反射によって広い波長域にわたって二重らせんのヘリカルビームが生成されたことを示している。また、研究期間を通じて、軸対称偏光素子という別の光学素子を用いて一重らせんのヘリカルビームの生成を行ない、光の偏光状態をヘリカルビームの強度分布に射影して測定する新たな偏光測定手法を提案し、実証実験を行なった。この偏光測定手法は、純粋な偏光状態だけではなく、部分偏光状態に対しても有効であることも実験的に示した。
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