2014 Fiscal Year Annual Research Report
マルチビームクロスオーバーイメージングによるX線ライブ観察の3次元化
Project/Area Number |
25790092
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Research Institution | Japan Synchrotron Radiation Research Institute |
Principal Investigator |
星野 真人 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門, 研究員 (30508461)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | X線イメージング / 放射光 / X線マルチビーム / ライブイメージング / 3次元可視化 |
Outline of Annual Research Achievements |
X線マルチビームクロスオーバーイメージングは、試料の動的現象をリアルタイムで計測することができる一方で、進行方向の異なる複数のX線ビームにより試料を同時投影することが可能であることから、動的試料に対してその3次元構造を可視化することができる手法として位置付けている。本研究では、X線マイクロCTでは対応できないような高速現象に対するX線ライブイメージングにおいて、その3次元可視化を目的としたX線マルチビームイメージング装置の開発および解析法の開発を目的としている。 最終年度の成果としては、整備が遅れていた屈折コントラストマルチビームイメージング用画像検出器の整備を行い、単純吸収コントラストおよび屈折コントラストを用いてマルチビームイメージングが行える装置の開発を完了した。また、開発したX線マルチビームイメージング装置を用いて得られたX線ステレオ画像(2方向からの同時投影)およびX線トリスコピック画像(3方向からの同時投影)から試料の3次元情報を抽出・再構成するための解析手法の開発を行い、3次元可視化対象となる試料に応じて2パターンの解析手法を開発した。1つは、マイクロチューブ内を流れるような液体流路の3次元可視化法であり、時々刻々と位置情報が変化するような3次元流体イメージングへの応用が期待される。もう1つは、複雑な形状をもつ動的試料の断面像の取得を目的とした解析法であり、X線トモシンセシスの原理を応用することで、人工呼吸条件下での生きたマウスの胸部において、X線ビーム投影方向に沿った任意の位置で断面像を可視化できることを確認した。 研究期間全体を通して、X線マルチビームイメージングという新しい計測手法の確立と、X線ライブイメージングの3次元可視化法の開発という本研究課題の目的を達成することができた。
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