2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25790097
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊井 仁志 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (50513016)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 血球 / マルチスケール / 連成解析 / 浸透圧 |
Research Abstract |
平成25年度は、粗視化MD法あるいDPD法など分子動力学および統計力学に立脚するモデル構築を行い、生体膜のマルチスケール・フィジックスに基づく方法論の基盤であるミクロモデルを構築する予定であった。しかしながら、将来的には、ミクロモデルと連続体スケールとの連成を行う必要があるため、今年度は、熱揺らぎに起因する分子運動を取り入れる事が可能な連成モデルの理解を文献調査を通じて深めていった(例えば、Atzberger et al., J. Comput. Phys., 224, 2007, 1255; Atzberger, J. Comput. Phys., 230, 2011, 2821)。これらの方法を拡張する事により、熱揺らぎに由来する膜面の挙動を自然に取り込む事ができると考えられる。 血球を構成する生体膜は半透膜であるため、周囲溶液の溶質濃度の局所的な変化が膜面挙動に強く影響する事が調査していくうちに分かった。そこで、今年度は上記の取り組みに加え、浸透圧による血球変形モデルの構築を行った。流れと血球変形の力学的な連成にImmersed Boundary法(Peskin, J. Compu. Phys., 10, 1972, 252)を適用するとともに、界面で不連続を持つ溶質濃度の輸送に関してもImmersed Boundary法を基に定式化を組み込んだ。これにより溶質濃度に由来する血球の膨張・収縮を周囲流体の運動と併せて解析する事が可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画を変更し、平成25年度はミクロモデルとマクロモデルの連成方法に着目し文献調査を行いその理解を深めていった。また、接着現象において、接着面付近での周囲溶質濃度の局所的な分布が、浸透圧由来の血球変形を誘起する事実より、これらを取り扱える解析手法の構築に努めた。このため、平成25年度の当初予定していたミクロモデルを用いた解析は平成26年度より行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は当初の計画通り、熱揺らぎを含む血球運動を記述するミクロモデルの構築を行うとともに、マクロモデルとの連成解析を行っていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため当初の見込み額と執行額は異なった。 研究計画に変更はなく、前年度の研究費も含め、当初予定通りの計画を進めていく。
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