2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25800001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岩成 勇 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (70532547)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 淡中双対 / 高次圏 / モチーフ / ガロア群 |
Research Abstract |
25年度中の研究活動によって得られた成果を大まかに説明する。安定∞圏に対して淡中双対的なアイデア・視点から研究することにより、混合モチーフのガロア群(通称モチビックガロア群)の研究を行った。25年度中にアーベル多様体やその族から生成されるモチーフのガロア群を任意の予想を仮定することなく構成しその構造を決定した。具体的に言えば、アーベル多様体で生成される混合モチーフの圏の淡中型表現定理をあたえ、それを用いてモチビックガロア群をバー構成により構成した。このモチビックガロア群は実現関手の自己同形群を表現することを示し、ガロア表現の深い定理を組み合わせることによりガロア群の分解定理を証明した。これはDeligne-Beilinsonの混合モチーフに構想により期待されていた構造をアーベル多様体で生成できる場合に証明したことになる。またこの議論のホッジ理論的な証明にも多くの時間をつかった。圏論的な技術的なところをのぞいてはできることの見通しがたった。 一方で、上記の研究を行い議論を見直す中で、いままでの研究で発見した圏論的アイデアをうまく改良して組み合わせると(ひとつの目標だった)安定∞圏における淡中圏--導来淡中圏--を定義し、双対定理を証明できることがわかった。「高次」の淡中双対定理の定式化及び証明には、古典的な淡中双対理論に用いられる(どの)議論も通用しない様々な困難が立ちはだかっていた。そこに25年度中に発見したある「技術」を導入(証明)することにより困難を解決した。さらにこの新しい「高次」の淡中圏は様々な例・応用をもつことがわかり、様々な点について26年度中の研究において深化させる予定である。 25年度中の研究活動において国内外の研究者との議論が研究にとてもいい示唆を与えてくれた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
困難と思っていた安定∞圏についての淡中理論が極めて満足いく形で証明できたので。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度中に得た結果は、重要な理論に発展する可能性が高いと信じているのでこの理論を徹底的に深化させ、多くの人が使いやすいようにし、さらに様々な応用をあたえる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
3月の出張による出費で4月の支払いとなるため。 2014年3月に旅費として使用しきっている。
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