2014 Fiscal Year Research-status Report
ラングランズ対応の枠組みをモチビックホモトピー論を用いて拡大する研究
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25800005
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
近藤 智 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 客員准科学研究員 (30372577)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 代数ホモトピー / モチーフ / 代数曲線 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、昨年度に引き続き、Jesse Wolfson氏(シカゴ大学)とCharles Siegel氏(東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構)と共同研究を行った。代数曲線のモジュライの持つ代数的な構造として、モジュラーオペラッドという構造がある。これを、代数曲線の埋め込みのモジュライの場合に考察した。具体的には、代数曲線の対数標準埋め込みのモジュライを考え、それらについて糊付け射を構成し、それによりモジュラーオペラッドの構造を持つことを示した。また、これは代数曲線のモジュライの構造と互換性を持つ。この結果をプレプリント"Modular operads of embedded curves" arXiv:1407.6558 にまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、交付申請書に記載した「研究の目的」とは無関係ではないが、当初は予想されなかったことについて研究を行っていたため、記載された通りの「研究の目的」の進展は少なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今回得られたモジュラーオペラッドは新しいもので、また代数幾何的である。既存のモジュラーオペラッドは位相幾何的かあるいは微分幾何的なものが多い。このモジュラーオペラッドを位相幾何的にみたときに、既存のものと比較し、違いがどのような点にあるか、明確にしていきたい。
共同研究者の一人であるJesse Wolfson氏は今年度中にコペンハーゲンに拠点を移す。そのため、研究打ち合わせのために訪問するかまたは招聘することになる。他の仕事のために長期の招聘、訪問が難しいときには、普段からの連絡をスムースに行うため、ネットワークの整備を行う。たとえば、通信ようのソフトウェアなどのパソコンの周辺機器を準備しておく。
数論幾何学を専門とする研究者で代数曲線のモジュライを扱う研究者は日本に多く、彼らの意見を伺いたい。代数幾何的あるいは位相幾何的な観点からモジュライを扱う研究者は日本には多くなく、ヨーロッパに多い。専門家の意見は貴重なので、情報交換を行っていきたい。
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Causes of Carryover |
本年度は予定したよりも研究集会が少なく、また、旅費のサポートやデスクトップパソコンを他から得ることができた。また、ノートパソコンやタブレットなどは買い換えたばかりで、まだ新しいものを必要としていなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
長期の出張を予定しており、その旅費などで科研費を使う予定である。また、ノートパソコンなどの買い替えが必要となってきているので、それらを購入する。
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