2016 Fiscal Year Annual Research Report
Stratifications and foliations on the moduli space of abelian varieties
Project/Area Number |
25800008
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
原下 秀士 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 准教授 (70396852)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 代数幾何学 / 代数曲線 / 超特別曲線 / 最大曲線 / p-可除群 |
Outline of Annual Research Achievements |
九州大学の工藤桃成氏との共同研究により、低標数の種数4の超特別曲線の数え上げについて結果を得ることが出来た。以下詳細を述べる。Ekedahl により、標数 p が種数 g に比べて小さい時(p^2-p < 2g の場合)、超特別曲線は存在しないことが証明されている。例えば種数 4 の場合、p≦3 に対しては超特別曲線は存在しない。これを踏まえ、Ekedahl は1987年に p≧5 なら種数 4 の超特別曲線は存在するかという問いを立てていた。実際 p=5,11,13,17,19 では超特別曲線が存在することが知られている。しかし、本年(2016年)工藤氏との共同研究で、未解決であった p=7 の場合について、種数 4 の超特別曲線が存在しないことを証明することができた。種数 4 の場合の Ekedahl の問いの否定的解決となる。その証明は、最後は計算機を利用するものであるが、超特別性の判定法(より詳しくは Hasse-Witt行列の計算法)や定義方程式の簡約化法など他の場合でも利用できる道具を提示したところも重要であった。p=5においては Fuhrmann-Garcia-Torres の最大曲線が一意であるという結果を再証明することが出来た。加えて標数5の2次体 F_25 上の超特別曲線の数え上げも行い21個であることも明らかにした。また、素体上の種数 4 の超特別曲線の数え上げについても論文を執筆し、p≦11 で数え上げに成功した。 また、横浜国立大学の樋口伸宏氏と、極小p-可除群の特殊化について研究し、偏極付きの場合の central streams の配置についての前研究の結果について、偏極なしでも証明することが出来た。
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