2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25800009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
沼田 泰英 信州大学, 理学部, 講師 (00455685)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 代数的組合せ論 / マッチング数 / 既約ピタゴラス数 |
Research Abstract |
平成25年度は, 実施研究計画にある通り, 計算機による数値実験を行うと同時に, マッチングにより定義される不変量に着目した理論的な考察を中心に研究を進めた. 具体的には次の結果を得た: マッチング数もしくはHosoya indexという名前で呼ばれるグラフの不変量はそのグラフの中の(完全とは限らない)マッチングの総数として定義される. 特に, 毛虫グラフと呼ばれる特別な木グラフのクラスを考えると, マッチング数は連分多項式などと密接に関連しており大変興味深い. マッチング数を考えるとピタゴラス数になるような毛虫グラフの三つ組について考察した. ピタゴラス数が与えられた時に, 拡張ユークリッド互除法から得られるデータを元に毛虫グラフを構成し, その毛虫グラフのコピーを2つ作り, 芯と呼ばれるグラフの三つ組に貼り合わせることで, マッチング数が与えられたピタゴラス数になるような毛虫グラフの三つ組を構成できることが知られている. 既約ピタゴラス数を脚の長さの比により2つのクラスにうまく分類すると, マッチング数がピタゴラス数になるようなグラフを構成する際に必要となる芯を, それぞれのクラスにおいて共通に取ることができることが知られており具体的に与えられている. 共通の芯を用いて, マッチング数が既約ピタゴラス数になるような毛虫グラフ達を構成することを考えた時, 芯となりうるグラフの三つ組の唯一性を示すことができた. また, さらに, 毛虫グラフを貼り合わせるという仮定を外し, 毛虫グラフとは限らない一般のグラフを貼り合わせるという条件に置き換え, 一般化した設定にしても, 芯の候補の唯一性は変わらないという結果を得た. この結果により, ある種の対称性を持ったグラフのマッチング数でピタゴラス数を表そうとすると, そのグラフの形状は限られたものであるという事がわかる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の研究計画では, グラフの不変量の満たす恒等式に着目し, 完全マッチングの観点からその組合せ論的解釈を与えることを目標に, 計算機実験を行うことを主たる予定としていた. 計算機実験については, 具体例の計算を進めており実験結果を得ている. また, 理論的な面においても, 既約ピタゴラス数をマッチング数として与えるグラフの三つ組の構成に関して結果を得ており, その研究過程においてマッチングに関する知見を多く得ている.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は, 完全マッチングの組合せ論的性質の研究が主たる目標である. 今後は, 当初の研究計画通り, 平成25年度得た計算機実験の結果を元に, 非順序二分木との関連から研究を進める. 非順序二分木のある不変量に関する恒等式に対し組合せ論的解釈を与えることを目標とし, 理論的な考察をすすめる. また, 平成25年度に得た結果およびその研究過程で得られた完全とは限らないマッチングに関する知見をもとに, 平成25年度に考察したマッチング数に関する問題を母関数や特性多項式へ拡張するということも試みる予定である.
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Research Products
(1 results)