2014 Fiscal Year Research-status Report
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25800011
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
野崎 寛 愛知教育大学, 教育学部, 講師 (80632778)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 正則グラフ / 球面コード / 線形計画法 / アソシエーションスキーム / スペクトラルギャップ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題における大きな目標の一つが,球面の次元と,球面上の有限集合の頂点数を固定したときに,互いに異なる2点間の距離の最小値を最大にする配置を決定する問題(最適球面コードの問題)に進展を与えることであった。正則グラフのスペクトル(隣接行列の固有値)には,球面上の有限集合の距離と,ある意味で「双対」の関係がある。球面コード(球面上の有限集合)と正則グラフの間で同様の結果が期待でき,互いに影響し合いながら発展することが期待できる。 平成26年度の大きな成果は,正則グラフの頂点数に関する上界を,正則グラフの異なる固有値の情報から,線形計画法に基づく新たな手法で示したことにある(線形計画限界)。すでに球面上での線形計画限界は知られており,その有効性が多くの場合に確認されている。グラフの線形計画限界を用いて,スペクトラルギャップ(最大固有値と2番目大きい固有値の差)が最大となるグラフを,無限系列を含む格好で決定した。 その他,本研究に関連する成果として,単著「Polynomial properties on large symmetric association schemes」がAnnals of Combinatoricsへ,共著「A spectral equivalent condition of the P-polynomial property for association schemes」がThe Electronic Journal of Combinatoricsへ,共著「Weighing matrices and spherical codes」がJournal of Algebraic Combinatoricsへ掲載が決まった。それぞれ,球面上コードとアソシエーションスキームに関連し,本研究への応用が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
正則グラフの線形計画限界が示されたことで,正則グラフと球面コードの類似性が,より明確化され,正則グラフで知られている有効な結果の球面コードでの類似物を模索することで,球面コードの本質的な進展が期待されるため。
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Strategy for Future Research Activity |
正則グラフと球面コードにおける類似性が明確化されるなかで,より一般的な枠組みを追求し,本質的な条件を確立させることが望まれる。そこで得られた新たな視点から,本研究課題を発展させることが期待できる。関連書籍から知識を集めること,関連研究集会に出席し,参加者と専門的知識を共有することで,本研究課題を進展させていきたい。
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Causes of Carryover |
購入予定であった書籍を次年度に延期したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
延期していた書籍を購入し,助成金は当初の計画通り,PC関連・研究上必要な物品,書籍,国内・海外出張旅費として使用する。主に,代数的組合せ論関係の書籍の購入,アメリカテキサス州での研究集会(4月1週間程度),スロベニアでの研究集会(6月1週間程度)の旅費にあてる。
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Research Products
(14 results)