2015 Fiscal Year Research-status Report
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25800017
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大川 新之介 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (60646909)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 導来圏 / 非可換代数幾何学 / ブラウアー対 / 半直交分解 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は日本に戻り、昨年度に引き続き各課題に取り組んだ。 1. Brauer pairのMMPに関して引き続き研究を行い、幾つかの発見があった。特に、問題の適切な枠組みがはっきりしたことと、2次元の場合に知られていた結果で高次元に拡張できるのか明らかでなかったものについて3次元で反例が見つかった。後者についてより詳細な理解を得られると嬉しい。 2. 非可換曲面の研究について、今年度は特に非可換Hirzebruch曲面の分類に関する研究が進んだ。代数幾何学における手法が非可換代数多様体の研究に役立つという好例となった。 3. 正則Poisson構造と非可換曲面との関係について理解が進んだ。これまでに構成して調べてきた非可換代数多様体のモジュライ空間に新たな視点を与えると期待している。 4. 半直交分解についての研究成果をarXivに発表した。その後、極小ではない代数曲面の連接層の導来圏の半直交分解について初めて意味のある結果が証明できた。それは「多くの場合において半直交分解はMMP由来のものしかない」という私の予想を裏付けるものであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は上記2,4が大きかった。特に、4で初めて極小でない場合の結果が得られたので、このように判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は終了予定年度である。この間に得られた結果の一部は既にプレプリントや論文として発表済みであるが、プレプリントの形にまとめきれていないものが多々残ってしまった。これらを可及的速やかに発表するのが最初の課題である。 上記2. に続く課題として、非可換重み付き射影平面との関係を調べるということがある。これは面白い課題であるので、是非とも継続して取り組んでいきたい。
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Causes of Carryover |
教務で予想以上に時間がかかってしまい、平成27年度冬学期に実施予定であった共同研究に関する出張・研究打ち合わせが一部できなかった。特に非可換線織面に関する研究でやることが残っている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
共同研究者、特に植田・毛利両氏との研究打ち合わせの出張旅費として残額を使う予定である。
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Research Products
(14 results)