2013 Fiscal Year Research-status Report
Coarse幾何学におけるコンパクト化とその境界の位相構造
Project/Area Number |
25800035
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
嶺 幸太郎 東京大学, 数理(科)学研究科(研究院), 研究員 (90512525)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Higson境界 / 擬等長 / 不動点 / 漸近次元 |
Research Abstract |
距離空間の擬等長性について研究した。Higson境界とよばれる無限遠境界のトポロジーは、擬等長性に関する情報の一部を反映している。実際、距離空間の間の擬等長同型はHigson境界上の同相写像を誘導する。本研究では、擬等長同型が誘導する境界上の同相変換の不動点全体を元の空間の部分空間の境界として表すための条件・方法を調べ、ある種の次元(漸近次元)の有限性のもとで結果を得た。とくにユークリッド空間の相似変換が誘導する写像について、不動点集合を決定した。 上記と関連する話題について、様々な研究集会で講演を行った。とくに、ニピッシン大学(カナダ)および島根大学で行われた国際会議で発表を行った。 また、コンパクトでない多様体の同相群と関連する群位相について研究した。どういった性質を持てば位相群がLF-多様体となるかを精査し、論文を出版した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
漸近次元が有限の場合の一般論としてHigson境界上に誘導された同相変換の不動点表示を得るのは容易ではないため、Gromov双曲空間のような負曲率の空間とユークリッド空間のような多項式増大度を持つ空間に分けて研究した。前者については、等長変換の場合はよい結果が得られたが、一般の擬等長変換については未解決である。後者については完全な解答が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
Higson境界上に誘導された同相変換の不動点表示の研究については、Gromov双曲空間の擬等長変換において同等の結果が得られるかどうか、そして、より一般の漸近次元が有限の空間においても、結果が得られるかを調査する。 擬等長性を位相空間論的な立場から一般化することで得られるcoarse空間についての研究、とくにcoarse構造と一様構造の間の関係、Higsonコンパクト化と一様コンパクト化との関係、coarse不変量等についての研究も開始する。 また、得られた研究成果について、研究集会等で講演する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
およそ計画に近い使い方をし、252円を繰り越す。 当初の計画通り使用する。
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Research Products
(11 results)