2016 Fiscal Year Annual Research Report
Topological structure of a compactification and its boundary on coarse geometry
Project/Area Number |
25800035
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
嶺 幸太郎 神奈川大学, 工学部, 助教 (90512525)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Higson境界 / 粗空間 / 大スケール幾何学 / 漸近次元 / 一様空間 / 擬等長 / コンパクト化 / 位相空間 |
Outline of Annual Research Achievements |
距離空間の擬等長不変な性質を調べる粗い幾何学(coarse幾何学)について位相空間論的な立場から研究した。Higsoon境界とよばれる空間の無限遠境界のトポロジーは、空間の大スケール的情報の多くを反映している。本研究において空間とHigson境界の関係について詳しく分析し、次の研究成果を得た:1)空間の擬等長同型が誘導する境界上の同相写像が不動点を持つための条件を精査し、漸近次元が有限な場合について不動点集合を部分空間のHigson境界として表示する手法を開発した。特に、ユークリッド空間上の相似変換が誘導する同相写像の不動点集合を決定した。2)大スケール的枠組みを与える例の一つである位相的coarse構造とC_0構造について分析し、これらが実質的に同値な概念であることを突き止め、更に粗空間のHigson境界と一様空間のSmirnov境界が関連付けられることが分かった。3)Higson境界が大スケール幾何学における無限遠境界として普遍性をもつことの意味について分析した。4)coarse空間の積に関するHigson境界について分析した結果、空間の積のHigsonコンパクト化がもとの空間のHigsonコンパクト化の積と一致するのは自明な場合に限ることが分かった。この結果により、Higsonコンパクト化として実現できないようなコンパクト化の新しい例が得られた。 以上の成果について論文を出版した。とくに平成28年度は、これらの成果の是非について研究集会の際に関連分野の研究者達と討論した。また、セミナーで研究内容を講演した。
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